第百七話
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からシウネーの負担が減らせるとか、いざとなればアスナが剣で倒してくれるとか――様々な理由を言ったものの、ユウキには悪いが、リズがアスナを推薦した真の理由は一つだけだった。
――思う存分遊んでスッキリしてきなさい。
「俺もアスナなら大丈夫だと思う。むしろアスナ以外にゃ任せられない」
「そうですよ、ママ!」
「なら……私で、よければ」
熱心に話したリズに加えてキリトやユイからも援護が飛び、アスナがリズのメッセージを受け取ったかどうかは分からないものの、スリーピング・ナイツのメンバーに向かって力強く頷いた。するとすぐさま、そんなアスナの手をユウキががっしりと握る。
「よければ、なんて! アスナがいれば百人力だよ! ね、みんな!」
「そうそう! 頼りになる女性リーダーって感じで!」
「はい。現リーダーが無理にツッコむから、ヒーラーが足りなくて困ってたんです」
「お、こりゃリーダー交代か?」
ユウキからの熱烈な歓迎に、他のスリーピング・ナイツの面々も諸手をあげて賛成――どころか熱烈歓迎していて。ついでにギルドのリーダーまで、などという話にまでもつれ込んだところで、現リーダーことユウキが話題に入り込んだ。
「リーダーはボクだってば! じゃあアスナ、みんなで狩り行ってみよ、リーダー命令!」
「あ、ちょっ――」
そして次の瞬間には、アスナの手を無理やり引っ張っていたユウキが、スリーピング・ナイツのメンバーごとリズベット武具店から消えていた。そんな恐るべき行動力とスピードに苦笑しながら、リズは困惑しながら連れられていった親友の無事を祈りつつ、変なことに巻き込んだことに心中で謝罪する。
「パーティーには入れませんけどー! 何かあったらー! 絶対力貸しますからー!」
店の外からシリカが叫んでいるのを見て、リズも窓からユウキたちが出て行った方向を眺めてみると。メンバーは既に天空に飛翔しており、こちらに――というかシリカに手を振っている。何とか、まだ聞こえる位置ではあるらしい。
「ったく。嵐みたいな子ね……」
スリーピング・ナイツのメンバーがいなくなったことで、各々が適当な相手との雑談――内容は大体、スリーピング・ナイツの解散が残念ということだったが――そうして呆れ顔で呟いていると、後ろからキリトが近づいてきていて。ユイを誰かしらに預けてきた彼は、どこか申しわけなさそうな顔をしていた。
「リズ。ありがとな、アスナを推薦してくれて」
「今度何か奢りなさいよ?」
困ったように『エギルの店のジンジャーエールでいいか?』などと返してくるキリトに、『辛くて飲めないから却下』――などと返しながら。どうやらキリトも彼氏の名は伊達ではないのか、巧妙に隠してい
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