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SAO−銀ノ月−
第百七話
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ボス――実装されてしばらく経った、あの浮遊城のボスたち。

「フロアボスを? 何だよ水臭ぇな、そんなもん今からでもフクロにしてやろうぜ」

「……クラインさん、まだボス部屋見つかってませんよ……」

「ううん、違くて……ボクたちだけで。スリーピング・ナイツだけで倒したいんだ!」

 今からでも倒しにいってやるとやる気満々なクラインだったが、そんなユウキの返答に少なからず動揺と驚愕が混じった。先のユウキも参加した二十二層攻略戦のように、フルレイドが前提のフロアボスに、ただ一パーティーで挑もうというのだから。ああ見えてユウキとて、無神経にそんなことを言う訳もなく、リズは代表して問いかける。

「そんなことを言うんだから、何か理由があるんでしょ? どうしたの?」

「実は……メンバーにそれぞれ用事が出来ちゃって。スリーピング・ナイツとして集まる機会が、その……しばらく無いみたい、で」

 あまり言う気になれない理由らしく、ユウキらしからぬもごもごとした要領を得ない口ぶりが続いていたが、一度言葉を打ち切ると。ハッキリとした口調で彼女はこう言った。

「このギルドはしばらくの間、解散することになると思う。だから……だから」

「黒鉄宮に名前を刻みたい?」

 解散――という突如として語られた衝撃を受けているところに、ショウキの補足にユウキはコクリと頷いた。確かにギルドと言えども、スリーピング・ナイツはの人数一パーティーにも満たず、確かにフロアボスを倒せばあの黒鉄宮にメンバー全員の名前が刻まれるだろう。

「ボクたちだけで戦ってはみたんだけど……やっぱり勝てなくて。だから、誰か一人、パーティーに入って一緒に戦って欲しい」

「頼みってそういうこと……」

 スリーピング・ナイツのメンバーは六人。七人で一つのパーティーとなるこのALOにおいては、もう一人だけなら、スリーピング・ナイツのパーティーに入れることが出来る。

 ……とはいえユウキからのそんな頼みを、大役ということもあって返答することがはばかられ、みんなで少し顔を見合わせた。個々の実力ならばキリト一択であるが――リズはあえて、違う人間の名前を呼んだ。

「……アスナなんてどうかしら」

「えっ……私!?」

 まさか名前が呼ばれるとは思っていなかったらしく、リズに名前を呼ばれたアスナが小さく身を震わせる。隣に座るキリトの顔を無意識にか眺めた彼女に対して、リズはアスナの名を呼んだ理由を答えていく。

「スリーピング・ナイツ……ユウキたちに足りないのはさ、情報とか指揮者とかだと思うの。コンバートしてしばらくは経ったけど、この浮遊城のことならアスナの右に出る者はいないくらいだし」

 あとは魔法のスキルを上げている者が少ないとか、ヒーラーだ
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