第百七話
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物は、予想通り新たな日本刀で。どうせこんなことだろうと思っていたが、リズはとりあえず弁解を聞いてあげることにする。
「なにこれ」
「えーっと……わたしが手に入れてきて、今し方ショウキくんにあげた掘り出し物で……」
「刀身が発光してライトセイバーごっこが出来る」
言いにくそうなレインと観念したショウキの言葉が同時に発せられ、ひとまずリズも自身の《鑑定》スキルでもって、手に持ったその日本刀のことを調べてみると。……確かにショウキの言う通りに、永続的に魔法がかけられたプレイヤーメイドの品で、柄から出すとスプリガンが使うダンジョン用の明かり程度の光が照らされるらしい。切れ味は論外。
「こんなんじゃ、いいとこ誘導灯にしかならないでしょうが!」
「そこがいいというか……なぁ?」
「コレクター魂が騒ぐっていうか……ねぇ?」
二人のレプラコーンが顔を見合わせて、うんうんと自分たちの主張に頷きあっていた。生産系をメインとしている訳ではないレインが、どうしてレプラコーンなのかというと……コレクターとしては、この鍛冶妖精が一番に都合がいいらしく。
「コレクターどもそこに正座!」
「ごめんお待たせー! ……なんでレインは倒れてるの?」
それからしばらくして、今回メンバーを集めた張本人である、スリーピング・ナイツのメンバーが――というかユウキが、ドアを蹴破らんかという勢いで現れた。それをシウネーに注意されながらも、ユウキはまず床に倒れ伏したレインの姿を眺めた。
「足……足が……」
「ああ大丈夫よユウキ。気にしないでも」
「そもそもVR空間で足って痺れるんですかね……?」
リズはそう言いながら微笑むものの、ユウキはやはり気になるようで。シリカの独り言のようなツッコミに、ある程度納得した顔を見せたものの、さらにそのレインの隣にいる人物にも視点が移動していく。
「そ、そう……? ボクとしては、隣の凄くいい姿勢で正座したままのショウキも気になるところなんだけど」
「自己ベスト記録にもまだまだだ」
「あんたは黙ってなさい。……で、みんな集めて何の用なの?」
スリーピング・ナイツの面々が来たということで、二人は正座をすることを止めて――レインは涙目で椅子に座りこんだが――ユウキたちの話を聞こうとする。まだユウキは好奇と心配が入れ混じった目線を向けていたが、いつまでもそうしている訳にもいかずに……リズに促されたこともあって、メンバーの視線がユウキに集中する。
「……私から話しましょうか?」
「ううん、大丈夫だよシウネー。ありがと。……実はボクたち、フロアボスを倒したいんだ」
シウネーの心配に笑顔で応えた後、ユウキは深呼吸とともにそう宣言する。フロア
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