第百七話
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クス!」
スイッチについて鼻で笑っていた女性のフード妖精に、突如として現れたルクスがその二刀を振るうものの、あっさりと空中で回転してみせながら避けられる。とはいえルクスも無理に追撃することはなく、リズにリーファがいる場所へ合流した。
「リズさんリーファさん、大丈夫ですか!?」
「確かに大丈夫じゃなかったけど……あんたたち、どうしていんのよ」
さらに猫妖精――もといシリカも合流し、先に戦っていた二人を庇うようにしながら、油断なく武器を構えた。先程の麻痺毒を回復することが出来たのは、先んじて飛翔してきたピナのヒールブレスだったため、助けられたことは確かだったが。彼女たちはイグドラシル・シティの、リズベット武具店にいたはずなのに。
「ショウキさんに、何か嫌な予感するから頼むって言われまして!」
「来てみたら襲われていてね」
「……超能力者かっての、あいつ」
「……リズさん、顔がニヤケてますよ?」
ピナにヒールブレスのお礼と、リーファにうっさいと文句を言いながら――リズは周囲を探索する。元々が隠れていた敵たちだ、こちらの人数が増えたことで姿を現すやも……と思ったが、そんな様子は特になく。
「どうしますリーダー殿ぉ」
「そうね……数も不利だし、一旦逃げましょうか」
ずっと見物を決め込んでいた鎖鎌のフード妖精と、リーダーと呼ばれた女性が白々しく会話をした後、さっさとイグドラシル・シティへと落ちていく。
「待っ――」
「止めときなさいルクス。あいつら全員、高レベルの《隠蔽》持ち。あたしたちじゃ見つけられないわ」
もしも仲間がいたら最悪返り討ちよ――と付け加えて、追撃しようとするルクスを引き止めながら。ルクスが追撃を諦めるのを横目で確認しながら、リズは手元に残った金属片を調べていた。
「何ですか、それ?」
「敵のリーダーが使ってたクナイ……を、リーファが真っ二つにした残骸よ」
まるで芸術のように綺麗に真ん中から真っ二つにされており、ポリゴン片となって消滅していないのが奇跡のようだ。一応は《鑑定》スキルでもって調べてはみるものの、あまり有力な情報を得ることは出来なかった。塗られた麻痺毒と太陽光に消えるための塗装、さらに極端な軽量化――と、触りのステータス程度だ。
「わざわざクナイなんて作る趣味の悪い奴が、あいつ以外にいたとはねぇ。……ごめんリーファ、足手まといになっちゃって」
「ううん。リズさんがいなくちゃ私も危なかったし……凄く連中、人とやりなれてる感じだった」
リーファの言うことには、リズとしても全面的に同意だった。新生してPvP要素が減ったこのALOにおいて、あれだけの練度を持ったPK集団は珍しい。しかもフード姿で身バレも防ぐ徹底ぶ
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