第109話(8章終了)
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〜リベール・エレボニア・メンフィル・国境付近〜
「……皇子!一体どういうおつもりか!久々に顔をお見せになったかと思えばこ、このような猿芝居を……!」
「ハッハッハッ。やっぱりバレちゃった?」
ゼクスに怒鳴られたオリヴァルトは本来の口調と笑顔――オリビエの口調と笑顔で悪びれもなく笑いながら尋ねた。
「当たり前ですッ!よもや皇子がリベールでこのような事を企んでいたとは……。しかもメンフィルと手を組んで、このような事を実行するとは……!ミュラー!お前が付いていながら何事だ!」
オリビエに尋ねられたゼクスは怒り心頭の様子で怒鳴った後、ミュラーを睨んで怒鳴ったが
「お言葉ですが叔父上……この男が、俺の言うことなど素直に聞くとお思いですか?」
「ぐっ……」
ミュラーの答えを聞いて唸り、黙り込んだ。
「それに俺も少々、納得がいかないこともある。『ハーメルの惨劇』……今度の一件で初めて知りましたよ。」
「!!!」
さらにミュラーの言葉を聞いたゼクスは顔色を一変させた。
「……やはりご存知でしたか。」
「ハハ、先生があの事件を知らないはずがないだろう?当時からすでに軍の重鎮だったのだからね。」
「………………………………」
ミュラーが呟いた言葉をオリビエは笑いながら指摘し、ゼクスは目を伏せて黙り込んだ。
「いやいや、先生。あなたを責めるつもりはないよ。一部の主戦派が企てただけで、先生たちは一切関与していなかったという話だからねぇ。あまりに酷いスキャンダルゆえ、徹底的に行われた情報規制……。賛成はしかねるが、納得はできる。臭い物にはフタを、女神には祈りを。国民には国家の主義をと言うわけだ。だが……」
黙り込んだゼクスにオリビエは笑顔で言った後、目を閉じて語った後、目をあけてゼクスを見据え
「―――同じような欺瞞を繰り返すことは許さない。」
オリビエは冷たい微笑みを浮かべて答えた。
「……ッ…………」
オリビエの表情を見たゼクスは身体を震わせて驚いた。
「先生、あなたも本当は気付いているはずだ。唐突すぎる蒸気戦車の導入……。そして不自然極まるタイミングでの出動命令……。全ては”鉄血宰相”ギリアス・オズボーンの描いた絵であることを。……恐らくメンフィル軍の登場も予期していただろう。彼らと交戦する事で戦争の切っ掛けを作ってしまう事すらもね。」
「!!」
「今回の事で確信したよ。彼は間違いなく”身喰らう蛇”と通じている。その事が、帝国にとってどのような影響をもたらすかは何とも言えないが。いずれにせよ、一国の宰相にふさわしい振る舞いではあるまい?」
「………………………………。皇子、まさか貴方は……」
ゼクスは考え
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