第106話
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”身喰らう蛇”の諸君?この戦力差で我々とやり合うつもりはあるかな?そちらが時間をかければかけるほど、メンフィル兵や特務兵達がこちらに向かってくるぞ?」
メンフィル兵達の登場に驚いたリシャールだったが、あまり気にせず、執行者達を睨んで尋ねた。
「……チッ……調子に乗りやがって………」
「………退きましょう。この戦力差では私達が敗北するのは目に見えているわ。」
「ふむ、そうだな。我らは機を逃したのだ。これ以上拘るのはいささか美しくなかろう。」
リシャールの言葉を聞いたヴァルターは舌打ちをし、その様子を見たルシオラは忠告し、ブルブランはルシオラの言葉に同意した。
「女王陛下と姫殿下の確保も可能ならばという条件よ。ヴァルター、ここは退きましょう。」
「フン……仕方ねえな。」
ルシオラの言葉を聞いたヴァルターは鼻を鳴らして答えた。そしてブルブランはステッキを構え、ルシオラは鉄扇を構えてヴァルターと共に消えようとしていた。
「それでは諸君……我々はこれで失礼しよう。だが次なる試練は君たちの前に控えている。気を抜かないようにしたまえ。」
「次なる試練……」
「な、なによそれ!?」
「ふふ……すぐに分かるでしょう。それでは皆様、ご機嫌よう。」
そして執行者達は消えた。
「あ……!」
「退いてくれたか……」
執行者達が撤退した事にエステルは驚き、ヨシュアは安堵の溜息を吐いた。
「ふむ、これで猟兵どもも市街から撤退を始めるだろう。予想外の戦力がいる事だし、できれば捕えたい所だが贅沢は言うまい。」
「うん……って、それよりも!どうして大佐がこんな場所にいるわけ!?服役中じゃなかったの!?」
リシャールの呟きに頷いたエステルだったが、ジト目でリシャールを睨んで尋ねた。
「だからもう大佐ではないんだが……まあいい。」
「とりあえず今はこの混乱を収めることが先決だ。君たちも手伝ってくれないか?」
エステルの疑問を聞いたリシャールは溜息を吐いたが気にせず、シードは尋ねた。
「う、うん……それはもちろん。」
「まずは消火と怪我人の手当てをする必要がありそうですね。」
こうして……”結社”による王都侵攻作戦は辛くも食い止められた。エステル達は、軍の部隊、メンフィル兵達と共に消火と混乱する市民へのフォローに回り、そして一通り落ち着くと謁見の間に集まった……………
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