暁 〜小説投稿サイト〜
没ストーリー倉庫
【SEED】ボンサイ操縦者のボヤキとアガキ
[3/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
 俺の家族は幸いにもこれから滅ぶであろう「ユニウスセブン」にはいない。というか、ユニウスセブンが攻撃対象にされることはザフトではあまり想定されてない。俺も原作知識根拠ではないが、一般兵なりに食糧生産プラントが攻撃される可能性を問うた。だが最終的には俺達MS部隊が全部敵を叩き落とせば問題ないし、メビウス一機で破壊出来る程プラントはヤワではないということで一致した。

 この調子だとブルーコスモスの持ちだした核ミサイルは原作通りユニウスセブンを焼くだろう。だから俺は、それ以外でやるべきことをやるだけだ。そんな俺に、ハイネは笑った。なにわろとんねん。

「だよな……それでこそカリグラだ。お前はそれでいいと思うぜ」
「ンだよ曖昧な言い方しやがって………おいミゲル、テメェも何笑ってやがる!」
「くっくっ……だってさ、さっきまでアガリ症がどうとか言ってたくせに戦う気満々なんだから、そりゃ笑いたくもなるさ」
「敵を前にその肝の据わり様は流石だな、カリグラ。ハイネが推しただけのことはある」
「………ハイネ、貴様の仕業かぁぁぁーーーッ!」
「言いだしっぺはミゲルだぜ?『俺の背中はアイツ以外には任せない』ってよ」
「そゆコト!いやぁ、先輩はやっぱり分かってますねー!」
「二人纏めて宇宙の星になれボケナス共」
「「縁起でもない事言うな!!」」

 とりあえず、この戦いを意地でも生き延びてから二人を殴ったろうと心に決めた。

「お喋りはそこまでだ諸君。もうじき敵の艦隊がレンジ内に入る。敵も味方も命がけ……となれば、勝敗の行方を決めるのは覚悟の差、ということになるかな?」
「俺達コーディネーターの覚悟が連中に劣ってるなんてありえないっしょ、隊長!」
「戦争しか頭にないナチュラル共をとっとと追い払って祝杯をあげるとしますか!!」

 3機のジンがマシンガンを構えて臨戦態勢に入る。俺も腰にマウントされた重斬刀とマシンガンに問題がないか改めてチェックしながらコクピットのレバーをギリリ、と握る。恐らくこの場では俺とクルーゼ以外の全員が、内心ではこの戦いを勝ち戦と勘違いして笑ってるだろう。敵主力のメビウスはMS初期量産機ジンに比べると5分の1程度の戦闘力しかないと言われている。
 そんな雑魚が数だけ集まっても勝てるわけがない。確かにそうだ。だが、あちらとこちらでは作戦成功の前提条件がまるで違うのだ。それをこいつらはこれから思い知るだろう。そして――いや、今はいいか。

「………意地でも生き延びてやらぁ」

 この落としどころがない泥沼のような戦争を、俺だけは最後まで生き延びてみせる。そんな傲慢な事を考えながら、俺――カリグラ・タキトゥスは後に『血のバレンタイン』と呼ばれる戦いを待ちわびた。



 = =



 ジンの機動力は
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ