第十話 弱さその四
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「自分で治すものだろ」
「うん、確かにね」
「自分でチェックして自分で整えていく」
「そうしたものだよね」
「だからな」
「僕自身でどうにかする」
「俺はアドバイスしか出来ないさ」
真剣に言った龍馬だった。
「後はな」
「僕自身がだね」
「どうにかするしかな、だからな」
「うん、わかったよ」
優花は龍馬のその言葉に弱い声で頷いた。
「それじゃあね」
「そういうことでな、まあうどん一杯でもな」
「食べてるからだね」
「いいけれどな、ただ」
「ただ?」
「うどんだけだとな」
龍馬はそこが問題だと言うのだった。
「栄養が偏るだろ」
「炭水化物だけだとね」
「ビタミンとか蛋白質もな」
「うん、ビタミンはジュース飲んだり果物食べてるから」
「野菜ジュースか」
「それで摂ってるから、あと蛋白質は」
そちらのことはだ、優花は自分から言った。
「家で食べてるから」
「だといいけれどな」
「牛乳飲んでるんだ」
「栄養はちゃんとか」
「摂ってるよ」
「そこはしっかりしてるな」
ここまで聞いてだ、龍馬はほっとした顔になって言った。
「栄養のことは」
「少なくとも自棄にはなってないから」
「自棄?」
「そうなの」
ここでまた口調が変わった優花だったが。
龍馬は違和感を感じたがだ、聞き間違いかと思ってそれで問わないことにした。優花もしまったと思いながらも訂正するのも変に思われると思い言わなかった。
「僕もね」
「自棄にってどうしたんだ」
龍馬が聞いたのはこちらのことだった。
「一体」
「あっ、最近ね」
「最近?」
「妙にね」
心の中でだ、真実を隠す言葉を探しつつ話した。
「調子が悪くて」
「身体のか?」
「落ち着かなくて」
「何があったんだ」
「何となくなんだ」
やはり多くは言わなかった、龍馬に対しても。
「そうなんだ」
「まあそういう時もあるな」
「そうだよね、不思議と」
「ああ、けれどだな」
「自棄にはなってなくて」
「食欲がなくてもか」
「栄養は摂ってるから」
それで、というのだ。
「心配はしないで」
「だといいけれどな」
「食欲がなくてもね」
「飲むって方法もあるしな」
「野菜ジュースとか牛乳を飲んでると」
「ちゃんと栄養も補給出来るな」
「そうだからね」
微笑んでだ、龍馬に言ったのだった。
「安心してね」
「それじゃあな」
「後で牛乳と野菜ジュース飲むしね」
「御前その二つよく飲むよな」
龍馬は優花の言葉を受けて言った。
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