第二百五十五話 帰りの旅その十一
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「これを楽しもう」
「さすれば」
「そうじゃな、小竹の言う通りじゃ」
「慎みは忘れてはなりませぬ」
「そういうことじゃな」
「そうです、では」
秀長はこうも言った。
「それがしも頂きます」
「どんどん食うな」
「そうです、小竹殿はです」
島が言うには。
「たんと食べねばなりませぬ」
「食が細いか」
「はい」
その通りだというのだ。
「ですから」
「もっと食してじゃな」
「滋養に勤められるべきです」
「それがよいか」
「前から気になっていました」
島は秀長に言う。
「小竹殿の食の細さが」
「そうですな、確かに」
後藤も言って来た、大飯を食いながら。
「小竹殿、半兵衛殿もそうですが」
「食が細いな」
「どうも」
「だからですぞ」
島は後藤と話してからあらためて秀長に言った、そして今度は竹中にも。
「お二人共常にたんと食うことです」
「それも滋養にいいものを」
「左様、牡蠣にしてもそうですし」
彼等が今食べているそれをだ。
「そして先程殿が言われた蘇等も」
「確か蘇は」
「はい、こちらも滋養にいいので」
だからというのだ。
「召し上がられて下さい」
「そのうえでか」
「滋養に務められ」
そしてというのだ。
「長生きして下され」
「そうあるべきか」
「お二人共まだまだ天下に必要な方々なので」
島は彼等の政においての采配を見て言っていた、戦の世は少なくとも本朝の中では終わったがまだやるべきことがあるからというのだ。
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