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魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜風雪の忍と光の戦士〜
第三話 手合せ ―ファーストバトル―
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り、横に方向転換したところだった。疾風は彼女が蹴った場所よりも少し上の場所に背中を預け、体勢を安定させて紗那を撃とうと考えた。……が、その瞬間。
「リンクッ!」
【承知!】
紗那が叫ぶと同時、背中を預けた場所から黄色い光のリングが現れて疾風を拘束した。それは、“バインド”と呼ばれる拘束魔法だった。
「っ!? 設置型のバインド!?」
(そうか、ビルに触れたあの時に……!)
最近刀を握り始めたような自分では、戦い慣れているかのような疾風に接近戦では敵わない。紗那はそれをよくわかっていた。だからこそ彼女は無理に近接格闘で決着をつけようとはしなかったのだ。ビルを手で押して勢いをつけたように見せかけて壁にバインドを設置し、疾風を誘い込み、位置を固定させ、そして……
「てやぁあああああっ!!!」
拘束を外そうともがいてももう遅かった。紗那は
裂帛
(
れっぱく
)
の気合を持って短刀から姿を戻した刀を横に振り抜き、その光の斬撃、“グリームスラッシュ”が疾風を両断した。
「へー、紗那って苦いの苦手なのか」
「……う、うん」
デュエル後。二人は再びコミュエリアにやってきていた。先ほどの賭けが紗那の勝ちという結果になったので、約束通り疾風が紗那にドリンクを奢ることにしたのだ。自販機の前にやってきて、振り返る。
「で、どれがいい?」
「そこ、の……ミルクティー、で」
「あいよー」
紗那のリクエスト通りホットのミルクティーを購入し、彼女に手渡す。ついでに自分の分のコーヒーも購入し、空いている席に二人向き合って座る。が、何やら紗那はもじもじしてなかなか缶を開けようとはしなかった。
「なんだよ、お前が勝ったのに。なんで気後れしてんのさ。戦闘前とか戦闘中の覇気はどこ行ったんだよ?」
「だ、だって……あれは……」
そう呟くも、すぐに俯いて口を噤んでしまう紗那。もっとも疾風にはだいたいの予想がついていたのだが。大方、戦闘中は熱くなっていたものの、戦いが終わって冷静になったところで我に返り、普段の自分らしくない行動をしたことに気付いて恥ずかしくなってしまったのだろう。……ということは……
「それにしてもさ。お前って……」
「……?」
首を傾げる紗那を見て、疾風は彼女の新たな一面を見つけたとニヤニヤしながらバッサリと言った。
「……意外と負けず嫌いなのな」
「そっ、そんなこと……!」
「ないとは言わせねぇぜ、あんだけ全力で俺を叩き潰しに来たくせに」
「う……うぅー……」
とっさに否定しようとはしたものの、ぐうの音も出ずに唸る紗那。誤魔化すように缶を開けて一口飲み……拗ねたような口調で、ボソッと呟いた。
「
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