暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜風雪の忍と光の戦士〜
第三話 手合せ ―ファーストバトル―
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空に浮かぶ姿。両手に持った剣。余裕を感じさせる佇まい……
(あぁ、そうか。あの映像の男の子だ……)
そう。紗那がかつて見た……忘れることなどできるはずがない、彼女がこの世界に足を踏み入れるきっかけとなった動画。そこに映っていた二刀流の少年に、疾風が似ているように感じたのだ。彼と疾風とではバリアジャケットの色も正反対で、体格も、手にする刃の長さすらも違う。だというのに……
(……同じ二刀流だから、かな。似てるのかも、雰囲気が……)
縦横無尽に空を翔け、苛烈な戦闘を見せたあの二刀流の少年。疾風の戦いの激しさと戦闘スタイルが、彼を思い起こさせたのだろうか。……とはいえ、似ているのは偶然だ。気にしないようにしようと、紗那は改めて現状を確認する。
機先を制したとはいえ、有効打を与えることはできていない。しかも攻撃スキルやフェイクシルエットの維持等、かなり攻めに回ったので魔力もだいぶ使ってしまった。こうなっては、もう、勝てないかもしれない。そんな風に弱気になる心を……しかし紗那は、首を振って否定した。
(でも、だからって……)
「私だって、負けない。私は……一人で戦ってるんじゃないから」
紗那は確かな意志を持って、そう呟き……背負う相棒に、問いかける。
「ついてきてくれる? リンク」
【もちろんです】
言葉少なくも頼もしい返答に、紗那は笑って小さく頷き、刀を握り直した。
一拍置いて、二人は同時に接近して近接戦闘を開始した。二刀同士の接触は激しい火花を散らし、振り抜かれる刃の風を切る音が響き渡る。刃同士をぶつけ合い、二人はその場からまったく動かずに切り結ぶ。……だが、いつしかその均衡が崩れ始める。紗那が力で押され始めたのだ。
短刀モードだからこそスピードでは対抗できているとはいえ、リンクのダガーモードとリラのガンブレードモードでは刀身の重さが違い過ぎる。勢いに任せて撃ちかかられると弱かった。……だから。
「おうりゃ!」
「くぅっ!」
疾風が両手で叩き斬ろうとしてきたと同時、紗那はそれを短刀で防いでその勢いを利用し後ろに飛んだ。そのまま背中を向けてビルに向け逃げる紗那を、疾風はトリガーを引いて追撃した。その魔力弾の内いくつかが紗那を
掠
(
かす
)
めるが決定打にはならず、進路を読んで撃ったつもりでもひらひらと舞うように避けられてしまう。焦れた疾風は銃を撃つのを左銃のみに変え、リラに指示した。
「リラ! 銃口のままの太さと威力でいい、右ガンに魔力チャージ! 精密射撃より薙ぎ払う方に目的変えるぞ!」
【了解! ……完了しました、どうぞ!】
「よっしゃ!」
リラの返答に、疾風は頷いて紗那に狙いを定める。視線の先では紗那がビルを蹴
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