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魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜風雪の忍と光の戦士〜
第三話 手合せ ―ファーストバトル―
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突進じゃなくて砲撃だったって訳かよ……!」

「…………」

 言ってはみたものの特に答えてこないが、まぁ戦闘中の彼女ならばいつものことだ。気にせず疾風は両手の銃で魔力弾を回避される可能性のある、あらゆる方向に乱射する。とりあえず弾幕を張ろうとした疾風の考えは成功し、その内の一発が彼女の体に命中した。……が。

 その瞬間、紗那の体が掻き消えた。

「……!? 分身(フェイクシルエット)!?」

【!! マスター、直下です!】

「クソ、囮かよ!!」

 さっきのはやっぱ本物か、と疾風は舌打ちして振り向きざまにリラを縦に連結させる。すると二対のリラが合体し、一振りの両手剣へと変化した。ロングソードモードと呼ばれるリラの近接特化形態で、格闘戦における性能が上昇している。

「おぉ……らあ! “フォトンストライク”!」

疾風は一枚のスキルカードを使用し、その1メートル近い刀身を横に薙ぐように振るって紗那の突き攻撃、“ヴォーパルフラッシュ”を無理やり受け止めた。

「……へへっ、やるじゃんかよ紗那! 分身と本体で上下に挟み撃ちとはな!」

 そう、紗那の策はこうだった。疾風の直上まで移動してまず分身を作り、第一撃の突進攻撃、“フォースチャージ”で突っ込む。当たればそれはそれ、外した場合はそのまま地表まで行き、目立たないよう這うように移動しながら疾風を追跡する……その時に、分身も“同期して”移動させていたのだ。そして疾風の真下まで移動し終えた後に分身を彼にぶつけて注意をそちらに向け、自身が攻撃して仕留める。そういう作戦だったのだが……

「……疾風、だって……やっぱり一筋縄じゃいかないね」

「見破れた訳じゃない。最初の賭けはお前の勝ちさ」

 完全に策に嵌められたよ、と苦笑して目を閉じた疾風。……が、次の瞬間疾風は目を見開き、獰猛に笑った。

「だが……だからってこのまま負けるつもりはねぇ!」

 そのまま疾風はフォトンストライクの魔力を強めて爆発させ、その勢いで紗那から距離を取ってそのままビル群の中央付近まで飛ぶ。紗那も一旦ビルに手をついて勢いをつけ、弾かれたように疾風を追って飛び出した。

 その様子を見た疾風はニヤリと笑ってその場に滞空しつつリラをガンブレードモードに戻し、トリガー部分でくるくると回して斬り払うように両手を広げて構えた。







 疾風に追いついた紗那は彼から距離を取って滞空し、疾風の二刀に手数で対抗するために刀をツインダガーモードと呼ばれる二振りの短刀に変化させ、油断なく構えて彼の出方を見る。……が、その時妙な既視感を覚えて紗那は目を細めた。疾風の姿が、誰かにダブって見えたのだ。

(……あの姿……どこかで……)

 バリアジャケットを翻して
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