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魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜風雪の忍と光の戦士〜
第三話 手合せ ―ファーストバトル―
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「カ、カレー? ゲーセンで?」

「ううん、ゲームセンターじゃないみた、い。大きなショッピングモールみたいな場所の最上階に、ブレイブデュエルフロアがあるらしいん、だ。そこにはフードコートみたいに大きなコミュエリアがあるんだ、って……」

「へ、へー……さすが本場。スケールがでけぇな……」







 さて。そんな風に雑談しながらシミュレーターの順番待ちをしていたのだが、ふと疾風はあることに思い当たった。

「……ん? そういや俺らって、組んだことはあってもガッツリ1対1で対戦したことってなくね?」

「……そういえば確か、に。ずっとリンク達と、スキルを試したりしてたか、ら……」

 そう。ブレイブデュエルを始めてから現在に至るまで、プレイはもっぱら二人共同。相談しながらデッキを組んだり、実際に試してみたり、タッグデュエルをしたり……と、一緒に遊ぶことはあれど、真剣勝負をしたことというのはこれまで一度もなかったのだ。だからこそ、疾風はこう提案した。

「なぁ、やってみねぇか? お互いのことを知ってるからこそ、面白いって要素もあるだろうしさ」

「……お、お互いのことを知ってる、って……」

 疾風の言い回しに赤面し、俯いた紗那。それを何かためらう理由があるのかと勘違いした疾風は少し考え、何かを思いついてニヤニヤしながら意地悪く言った。

「んじゃ、この勝負に負けた方が勝った方にコミュエリアで飲み物一個奢るってのはどうだ? まぁ? 格闘戦も射撃戦もできる俺とリラに死角はねぇけどなー」

 あえて挑戦的な口調で煽ってみた疾風。とはいえ、いつも冷静な紗那のことだ。乗ってきたりはしないだろうと、冗談のつもりで言ったのだが……

「……いいよ」

「……お?」

 思っていたよりも低い声で返事が返ってきて、疾風は目を瞬かせた。紗那が俯かせていた顔を上げると隠れていた目元が少し露わになり、鋭い眼光で射抜かれた気がして体を震わせた。

「私だって……負けないもん」

(あれ、こいつ意外と……)

「……行こ」

「は、はい」

 と、なんとなく疾風が何かを感づいたのだが紗那は有無を言わせず立ち上がってシミュレーターへと向かい、疾風は慌ててその後を追いかけた。







【……マスター、どうかされましたか? 心なしか顔色が悪いように見受けられますが……】

「……リラ。俺……地雷踏んだかも」

【???】

 若干顔が青くなっている様子の疾風に首を傾げつつ(傾げる首がないとツッコんではいけない)、とにかく戦闘態勢に入るリラ。今回の対戦フィールドは市街地。無数の高層ビルが立ち並ぶ、見晴らしの悪いステージだ。事実二人ともフィールドへのダイブは完了しているも
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