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レイフォン・アルセイフはロリコンだった。
第1話
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いたメイシェンの疑問に答えず、放浪バスの窓辺の先にある方を向く。

「………別に盗み見をするつもりはありませんでしたが、気づかれましたか」

 ほのかな光を放つ花弁から、それは聞こえた。
 冷たい女性の声。
 そうレイフォンは思った。





 豪邸。宮殿。
 そんな贅沢な一室で、女王はふと青年のことを思い出す。

「レイフォンのやつ今頃小さい子を見つけてウハウハしてるのかしら」
「何を言っているのですか、陛下……。そんな事よりどうかお仕事をお務めください」

 縋るように女王に迫り込む女性は女王と同じ顔をした影武者。その容姿は美貌を我がものにしたかのような美しいの一言。
 そして女王も、まだ同様。

 女王は、ピクリとも反応しない影武者に、少しばかり面白くなかった。

「あんたレイフォンのこと気にしてないのぉ? 仮にも同じ天剣授受者でしょうが」
「元々、このグレンダンから追い出したのは、アルシェイラ女王でしょう」
「だってあいつ私のこと―――BABAって言ったんだもん」
「……………あの青年がそんなことを言うなんてにわかに信じ難いのですが……」

 女王の見た目とそのBABA、即ちババー。その二つは合致しない。それにこの女王にそんなことをいうこと自体自殺行為。

「そりゃ私だってそうよ。でも言われたらちょっとカチンと来ちゃって。私まだピッチピチなのにねぇ。だから、全部バラして追い出しちゃったのよねぇ」

 ピチピチ……貴女見た目は剄で抑えても、中身は案外年取ってるのでは―――とは言えず、影武者は違うことに思考を変える。

「闇試合のことですか……」
「なーに? もしかしてバラしたことに文句あるのかしら? ……まあ、私だって怒りに任せてやり過ぎた感は否定できないけど………どうせ私がバラさなくとも、近い内にボロは出てたわ」
「そうですが……」
「それにあいつの要求を聞いてあげたのよ。孤児院の金銭的な補助をね。だから、チャラよ」

 女王はかけていた椅子からすっと立ち上がり、どこか焦燥した面持ちでドアに手をかける。

「でも、せっかく集まっていた天剣も一人欠けるなんてね」
「彼は天剣に相応しくなかった。それだけです陛下」
「……それもそうね」

 来るべき運命までに天剣は12人集めなければならない。
 だが、一つレイフォン・アルセイフという青年が欠けてしまった。もし、彼が天剣に相応しかったのだったら、また再び彼はこのグレンダンに戻って、この地で戦場を駆けるのだろう。
 だが、もし影武者の言う通り、違ったのならば、また新しい天剣の持ち主になる素質を持った人間を探すしか他はないだろう。

「はぁ、本当面倒くさいわね……。あとは宜しくね、カナリス」
「え………」


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