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レイフォン・アルセイフはロリコンだった。
第1話
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取られまいとひたすらアクセルを踏み続ける。
 だが、皆が恐怖に煽られ、叫びたいのを震える手で抑え、奴らに音で悟られないように、空を飛行する残忍な破壊者たちを凝視する。

 何匹も―――何匹も何匹も何匹も何匹も何匹も何匹も何匹も何匹も何匹も―――空に群がっていた。

 もはや空なんてどこにもない。見上げれば、汚染獣の大群が青い天井を色黒い肌が支配していた。
 レイフォンはその束になった汚染獣を数える。数はおよそ1500前後。その汚染獣の大きさは、さほど驚くものではない。だが、群れをなして作るそれは脅威をはらんでいた。

(思ったより……少ないな。でもこの汚染獣もしかして―――)

「いやっ」

 小さい悲鳴がレイフォンの耳に届く。隣を見ると、メイシェンが尋常じゃない震えに身体を抱いていた。彼女の瞳にあったのは、死に対する恐怖心。汚染獣を間近に見たことによって、死の瀬戸際にたったことを自覚した初めての死の恐怖。

「メイっち大丈夫だから落ち着いて、ね?」
「そうだぞメイ。ふん、もし汚染獣に襲われたとしても、私がこてんぱんにしてる、だからミィの言う通りリラックスだ」
「ナッキって汚染獣との戦闘経験あったっけ?」
「………ない、がもしそうなったら私が戦うしか他ないだろ」

 ナルキは錬金鋼《ダイト》を片手でもち、戦う闘志を燃やして言う。だが、怯えていた。ミィフィも、恐怖心に屈していたメイシェンだってナルキのその様子に気づいていた。それは同じ都市でずっと過ごしていた所以なのだろう。

 なんだかんだで落ち着きを取り戻したメイシェンに、幼馴染み2人は安心したところ。
 ミィフィはこの死と隣にあわせという状況下で、微かな動揺も見せない青年に、意地の悪そうに声をかける。

「それにしてもレイとんの落ち着きようは流石、グレンダン出身者だねぇ」
「うん……まあ、この数の汚染獣ならまだ少ない方だからね」

 その言葉に少し目をナルキは見開く。

「グレンダンは武芸の本場だと聞いているが、もしや武芸を嗜んでいたりしているのか?」
「……ほんと嗜んでいる程度だけどね」
「つまり武芸者でもあるのか。グレンダンで武芸を嗜む程度であれ、武芸科でももしかしたら通用するのではないか?」

 それは単なる疑問。別にレイフォンの強さなんてものは、手合わせもしていないし、知りもしない。だが、グレンダンは都市間を、通じて武芸の本場だということは既知の事実である。強引かも知れないが、ナルキは、嗜む程度であれ、あのグレンダンで武芸に触れた人間が―――何故ツェルニで武芸科ではなく、それとは遠くかけ離れた一般科を選んだのか。きっと他の幼馴染みだって思っていることだろう。

「そう、かもしれないけど、僕はもう……武芸は辞めたんだ。それに武芸者
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