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レイフォン・アルセイフはロリコンだった。
第1話
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おどとこちらの様子を伺うメイシェンを見れば、何となく断る気もなれない。
 どの道、親しくなる貴重な機会なのだ。断る理由もない。

「うん、僕が答えられる範囲ならどうぞ」
「よしっ! じゃレイとんの好きな女性のタイプは?」
「おい、いきなりだな」
「え……え、す、好きなタイプ……」

 初っ端、その質問だとレイフォンが答えに躓くと、ナルキと、メイシェン、更にはその質問をしたミィフィも内心思ってはいた。
 レイフォン・アルセイフは三人の目からして、かなりのイケメンだと言える。ただ、気弱な雰囲気が否めない。さっきの場面だってそうだ。ナルキの発言に、レイフォンはすぐに謝るだけ。呼び名だって何の意見もせず、黙って流されて行くだけ。ぶっちゃけ冴えないイケメンと命名するまでだ。
 だから、この手の質問は話を逸らすか、言い淀んで、結局違う質問に移るそんな展開になると何となく感じてはいた。
 だが―――レイフォンの答えは三人の予想を斜め横に突いてきた。

「小さい、子かな」
「……………ん? 」

 三人の幼馴染みは揃ってミィフィの質問に即答したレイフォンの顔を見る。

「 ? 僕の顔になにか付いてる?」

 首を捻らせ、不思議そうに見返すレイフォンに、三人組は「まさか……いやまさか」とゴクリと緊張で乾いた喉を湿らせ、勇気とともに、三人は同時に聞く。

「もしかしてレイとんって、ロリコン(なのか)……?」
「へ」

 間抜けな声が放浪バスで響いた。

 その時だった。
 レイフォンは周りの空気が張り詰めるのを感じる。

 音だ。
 レイフォンは耳に劈くような音を微かに拾う。

 今度はレイフォンだけじゃない。次第に大きくなっていくその音は周りの乗客にも聞こえるぐらいになっていく。

 ギチギチ……………ギチギチ…………ギチギチ…………

「なに、これ」

 乗客らはその異様な雰囲気に、身を屈んで見えない恐怖心に身を隠す。
 レイフォンはすぐにその音の正体に気づく。

(……汚染獣)

 放浪バスの運転手もそれに気づいていた。エンジンを切り、急停車する。そして逆走に転じる。

「お、おいっ! 何があったんだ!?」
「汚染獣だ! 何でもいい、何かに捕まれ!」
「そんな……」

 乗客らの絶望に追い討ちをかけるように―――

 ギチギチギチギチギチギチギチギチギチギチギチギチギチギチギチギチギチギチギチギチギチギチギチギチギチギチギチギチ………

 すぐそこまで迫る奇怪な音。
 羽根同士が、お互いを擦り合い嫌な音。聞くだけで身体がぞわぞわし、耳を伏せぎたくなる。

「おいっ! バスのスピードを上げろ!」

 放浪バスの乗客は悲鳴をあげる。放浪バスの運転手は混乱に気を
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