第1話
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します」
「むっ、レイフォンも一緒に考えるんだぞ」
「えっ、そうなの!?」
レイフォンは困惑する。自ら自身のあだ名を考えるのはちょっと抵抗感があったりして。痛いというか。他人に決められるならそれに何のためらいもなく頷けるのだが。
「れい………とん、とか、どう…かな?」
控えめにメイシェンは案を繰り出す。
「そうそう! やっぱりメイっちもそれがいいよね。 ね、じゃっレイとんで決定! 」
「………れ、レイとん?」
大仰にミィフィが賛同する。
どうやらもう既に、自分のあだ名の候補は決まっていたらしく、ポカンとするしかないレイフォン。
―――レイとん。
これまでの人生で、女友達にそんな呼び名はされなかった。幼馴染みのリーリンでさえも。
「まあ、待て。レイと……レイフォンはレイとんでいいのか? 」
一度、ナルキは置いてけぼりになったレイフォンに援護を入れる。
「えっと……うん、僕は―――」
「はい、決まり。ということで、レイとんで決まりねー。じゃそゆことで自己紹介よろしく。というか私たちから聞いちゃうね」
頷いたつもりはなかったのだが、ミィフィには最早どうでもいい事らしい。ミィフィは身を乗り出して、興味津々にレイフォンに問い詰める。他の二人も好奇の視線をレイフォンに飛ばす。
「あれ、 自己紹介僕らしなかったったけ?」
「うーん、あれって自己紹介って言うのかなぁ。簡潔過ぎたし、時間なかったし、レイとんに話しかけづらかったのもあったし、ぶっちゃけあまり話してないしさ」
確かに、お互いの名前と出身都市と軽くツェルニについて話をしただけ。そして、ツェルニの学園でどの学科に入るかどうかの話も含め、軽く話しあった仲。
それ以降はあまり会話はしなかった気がする。
ただ、話かけづらい、とはどういうことだろう。首を捻らせ、少し考えるも、褒めるほどの脳を持ち合わせてないレイフォンは答えを出せず、結局それを察したナルキが代弁した。
「バスの中で、何度も話しかけようとしてたんだが……レイとんがあまりにもむつかしい顔をしていたから、私達も声を掛けづらくてな」
「そう、なんだ。……ごめん」
「はいはい。そんなことより聞きたいことがあるんだけど、私から質問していい?」
「まったく、お前のせいでレイとんが謝る羽目になったんだぞ。代わりに私が謝る、すまん」
「なによー、わたしが悪いみたいじゃなーい」
「悪いから、言ったんだろ?」
「うーーーっ」
「ミィも落ち着いて、ね?」
「うーーーっ。メイっちに言われたわたしはもうレイとんの質問にこの憤りをぶつけるしかない! うん!」
「……でさっそくミィから質問を投げていくがいいか、レイとん」
どうせ拒否権はなさそうだし、おど
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