第1話
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目的地である都市に着くには、まだ時間がかかる。もちろん汚染獣等のアクシデントらがあれば、それは長引くのも強いられるけど。
(まだ時間はあるし、少し寝ようかな……)
そう思い、両の瞼をと仕掛けた時、肩をトントンと、不意に叩かれる。
「あ、ごめん。もしかして今から寝るところだった……?」
重くなりかけていた瞼をすっと開け、声の主の方へと視線を落とす。
そこにいたのは上目遣いで、こちらを伺う金髪のツインテールをしたミィフィ・ロッテンと、その隣に座る赤髪の少女であるナルキ・ゲルニ。そしてナルキの後ろに隠れながらこちらの様子を伺うメイシェン・トリンデン。彼女達は前の都市で会った三人組の幼馴染み―――らしい。お互い顔を見合わせた場所は、彼女達の出身都市、都市ヨルテムであり、放浪バスが発車するまでその都市で少し話した仲である。
最も偶然同じツェルニの学生として入学する同級生だという事で、多少の自己紹介も兼ね、親密には話してはいない。つまり、レイフォンにとってまだ知り合いに近い。
「ううん、目が冷めたから気にしないで。元々眠くて寝たわけじゃないし」
「うー、それってやっぱり私がレイフォンの睡眠の邪魔ちゃったのは変わりないし」
「まあ、許してやってくれ、レイフォン。こんな長旅じゃ話のネタも尽きてしまってね。話し相手になってくれないか? もちろん私達もな、メイ?」
「う……うん…ご、ごめんねレイフォン」
「い、いや、僕もこんな長旅じゃ寝ることしかなくて。うん、話し相手なら歓迎だよ」
ミィフィ・ロッテンは申し訳なさそうに、ゴメンネと両手を合わせ、ジェスチャーする。
その後にミィフィの幼馴染みであるナルキ・ゲルニが続き、メイと呼ばれたメイシェンがレイフォンに謝るかたちとなる。
しどろもどろになるしかないレイフォンは言葉を選んで慎重に事を進めていた。
正直なところ友人は作りたい。ツェルニには知り合いも友人もいないレイフォンにとって、ツェルニという都市は不安要素しか存在しない。友人を作ることが得意でもないし。
せっかくこんな自分に自ら話かけてくれる同級生がいるのだ。上手く行けば友人になってくれるかもしれない。
よし、とレイフォンはミィフィたちの話に耳を傾ける。
「あ! それでね、レイフォンのあだ名を決めようかなぁってナルとメイで話してたんだぁ。レイフォンはどう思う?」
「あだ名……?」
「ああ、私達三人は小さい頃から、ナッキ、メイ、ミィで呼びあってきたんだが、レイフォンもそうしようとさっき話し合っていたんだ」
「わたしはメイシュンのことメイっちって呼ぶけどね」
ミィフィは乾いた喉を潤いしながら、再び乾いたパンのようなものを頬張る。
「そ、そうなんだ。えと、じゃあよろしくお願い
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