第四話 エターナルマナ
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む。
すると、刀身が赤く輝き、猛烈な熱気が辺りを包んだ。
「……………………だから!! 炎は効かないのにーーーー!!」
そう言いつつも少女は魔剣を振り下ろす。
すると、地面に叩きつけた等身から炎の柱が舞い上がり、4体の不死者を炎で包んだ。
しかし……
「……!!」
その炎を抜けて、4つの塊が飛び出してくる。
少女は後方に飛んで何とかその一撃を躱すが、さっきから後退してばかりで全く前方に進めていない。
「一体どうすれば……。前に進めなければ出口には……」
そこまで考えて、少女はその先の言葉が失われる事を実感する。
「……まさか……私にアンデッドの相手をさせて、その隙をついて逃げ出すつもりでは……」
それは考えていない訳では無かった可能性。
しかし、あまりにも少年の声が真剣だったから、飲み込んだ理由だった。
「……うっ!」
アンデッドの攻撃は止まらない。
思考の乱れから動きの鈍った少女の退路を徐々に塞ぎつつ、4方から致命的な一撃を放ってくる。
それでも何とかその攻撃をさばき続けているのは少女の腕の賜物であっただろう。
しかし、注意力が散漫なままで対応しきれる手数ではなかった。
「……ああっ!!」
2方向同時の攻撃に、少女は1方を躱しつつ1方を刀身で受ける。しかし、受け切るには少女の体はあまりにも軽すぎた。
少女は出口とは反対方向に飛ばされると、それでも魔剣は手放さずに地面を跳ねる。
痛みと疲労。
いや、それよりも気持ちが切れてしまった事が一番の原因だろう。
考えてしまったのは自分が利用されたという可能性。
その想いが少女から立ち上がる力を奪ってしまった。
横たわり、真横になった視線の先に見えるのは、自分に向かって焦げた体を修復しながら近づいてくる肉片達。
あれほど近くに感じた出口も遠く、その景色が、まるで自分自身の目的地のように見えて──
──だから、アンデッド達のすぐ後ろで、白い光に包まれた何かの像を振り上げている少年の姿が何かの冗談のように見えた──
ここしか無いと思った。
16年の歳月を生きてきて、これほど忍び足が上手くいった事はなかっただろう。
疲れでパンパンになったライドの歩行スピードは、決して動きの速いわけではない不死者の前進スピードよりも更に遅く、普通に追いかけたのでは決して追いつく事はなかっただろう。
しかし、その時間を魔導剣士の少女が十分すぎる程稼いでくれた。
魔力が尽きないというだけで決して強力ではない魔石をもって。
場所が場所ならお人良しだと言われたかもしれない。
何故なら、ライドが裏切る可能性を普通な
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