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緋弾のアリア-諧調の担い手-
第五話
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ゃってたから、連絡は出来なかったんだ」


カナの抱擁を解いて、家へと足を入れると今度はお母さんに抱き締められる。
優しく包み込む様にして、そうして言葉を列ねる。


「無事ならいいのです。でも最近は物騒ですから、ちゃんと連絡手段は持ち歩いて下さいね。…何かあったら、直に駆けつけますから、神剣を使う事も辞さないです」

「はい、わかった。…でも、神剣持ち出すのは危ないよ」


色んな意味で危ない。
そう言葉を交わして、リビングに入ると碧銀色の髪をした二人の少女が出迎えてくれる。


「パパ、おかえり!」

「おかえりなさい、主様」

「…ああ、ただいま、二人共」


笑顔を浮かべる少女に、俺も釣られて微笑む。
漸く、非日常からいつもの日常に帰ってきた。安堵感が俺を包み込む。

抱き着いてくる幼き娘の頭を撫でつつ、そう思う。







2








立ち込める白い湯気。
草津の入浴剤の入った浴槽に身体を沈めながら、息を抜く様に一息吐く。

冷えた身体に、暖かいお湯が染み渡る。
…疲れが癒されていく。軽く、湯船の中で伸びをする。


「……生き返るなぁ」


赤く火照った表情、濡れそぼった艶やかな髪。
それに重なり、中性的な容姿、髪をかき上げる仕草が大変色っぽく見える。


「…なんとか、一日が終わったか」


汚染された、真っ黒な天上。
墨を零した様な単調な黒一色の空を、開けた窓からぼんやりと見上げていた。

見据える先はネオンによって輝く街並み。大規模火災が発生した台場の港区。







3








「パパ、嘘ついてる」


時夜がお風呂に入りに行った後、不意にソフィアちゃんがその言葉を解き放った。

リアさんの膝の上で、碧銀色の髪を縁側からの風に靡かせて、そう口にした。
それはただの直感や当てずっぽう、女の感といったものではないだろう。

ただソフィアは事実として、“知っている”事を口にしたのだ。
そして、リアも主との繋がりから引き出された力と感情により、それを読んでいた。


「…主様は私の力を引き出し、鎮火活動に参加しておりました。…そして、何者かと交戦しました」

「…やっぱり、そうでしたか。…危ない橋を渡った様ですね」


その言葉にお義母様も、意を同じくする様にその言葉に頷く。

時深の時見の目も時夜には効果がない。
だが、未来が見れなくても時深は母親として、その嘘を確りと見抜いていた。


「―――イリス」

『…ハァ…時夜的には、秘密にしておきたい所だったのでしょうが』


そう、テーブルに置かれた機械水晶が
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