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アライズ オルタネイテブ〜三人の騎士と九人の女神〜

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しょう」

「わかっている。お前があの程度の依頼ならばなんなくこなしてくるというのは理解はしているが、それでもやはり心配なのだ」

「ふふ、ありがとね」

 英玲奈から差し出されたカップを受け取り、私は古びたソファーに腰を落ち着けた。
 彼女の淹れてくれるお茶は、いつもどこか変わった味がするものの、それはそれで悪くないと思っている、けれど。

「あっつ……」

「む?す、すまない。またやってしまったようだな」

「いいわよ、別にこれぐらい。それに、雨に濡れたせいで身体が冷えてるし、熱いぐらいが丁度いいわ」

「そうか。そういってもらえると救われる」

「ホント、英玲奈って大げさなんだから」

 たわいない話ができる事、これが何よりの幸福なんだという事を私は知っている。
 正確にはわからなくても、今のこの世界では人間同士の戦争なんてものは起きてはいない。
 起きていないというより、起こるはずがなかった。

 何故ならそれは、人間と呼ばれる人種はほぼ、この世界から消えてしまっているのだから。
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