夏休みT
第六話
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月姉の作りだしたこの世界。俺の使う“箱庭”の術式の大元。
この空間では一定の時間を置けば、生命以外のモノは自動的に復元される。
「そうだ、時夜、カナ。お前達に言っておく事がある」
「…うん?どうしたの、月姉」
「明後日に夏祭りがあるだろう、夜道を歩く際には充分に気を付けろ」
更に那月は話を続ける。一般人には公開する事はない情報だ。
「…ここ最近、報道されてはいないが、東京都内で連続襲撃事件が起こっていてな。一般人の他にも腕利きの武偵も被害に遭っている」
那月の話によると、被害に遭った人達は未だに目を覚ましていないとの事。
犯人はそれなりに腕が立ち、潜在能力、“G”が高い超能力者や術者を優先的に襲うという話だ。
俺達もそれに洩れない為に、夜道には気を付けろと。
あまりそう言った事を口に出さない那月故に、俺達の身を案じてくれているのだろう。
「…うん、解った夜道を出歩く際には気を付けるよ」
そして、犯人の現在解っている情報を教えて貰った。絶対に口外しないと言う条件の下でだ。
それを聞きつつ、切に願う。
…面倒な事にならなければいい、と。
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