第四話
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。得体の知れない正体。
―――コレハダレダ?
そこに思わず、若干の恐ろしさを感じる。
そう感じて、俺は動く事が出来ずにいた。背筋に嫌な汗が伝う。
声を出す事も躊躇われる。だが、此処で行動しなければどうしようもない。
「……おい、起きろよ。誰だか知らないけど」
俺は恐る恐る声を掛ける。
「……んっ?」
そう声を掛けると相手は俺の上で身じろぎをする。
声から察するに女性の様だ。
タオルケットの中から、か細い腕が俺の顔に向かって伸びてくる。
…早くこの場から逃げたい。
自身の部屋なのにまるで自身の部屋ではない様に感じる。
先程まで心地よかった朝風さえも、肌に触れる度に怖く感じる。
心臓が嫌な鼓動を始める。
けれど、俺は動きたくても動けない、女性が俺の身体に乗っかっているからだ。
それもあるが、俺の心境的に動けないでいた。
この間見た、夏の恐怖特集の映像が頭の中で再生されていたからだ。
今の俺と同じ様に、女性の霊に金縛りにあった男性の話が過る。
その男性がどうなったのかは、あまり考えたくはない結末だ。
髪の長い女性の霊に頭を爪で刺し貫かれる。
今まさに、俺の頭に向かって手が届こうとしていた。
その手は俺の頭に絡み付く、そうしてタオルケットの中から長い栗色の髪の少女が出てくる。
「………んっ?」
恐怖を余所にして、俺は出て来た少女に見覚えがあった。
美しい栗色の髪をした、幼いながらにも整い、完成された美しさと言ったものがあった。
「……カ―――」
彼女の名前を呼ぼうとする前に、俺の頭は彼女の胸に包まれた。
未発達ながらも、そこには二つの丘が存在していて女性らしい柔らかさを有している。
「―――むっ?!むっ!!」
俺は息がしづらく、もがくがガッチリと固定されてしまった。
もがく度に、甘い匂いが俺を包む。女の子の匂いというヤツだろう。
更には足にも彼女のハリのある足が絡み付いて、俺の動きを完全に封殺した。
何時の間にか、恐怖は完全に消えていた。
「―――!!」
―――…不味い。
体の中心に血が集まる様な感じが俺を襲う。とある症状を知らせる感覚だ。
俺は必死に煩悩を払おうとするが、感覚は持続していく。
努力も虚しく、そうして俺はなってしまったのだ、父親の血筋である“HSS”に。
その後、俺が解放されたのは数十分ほど後の事であった。
俺はHSSも切れて、部屋の片隅で事故険悪していた。
未発達な少女の身体に性的興奮に陥ってしまった事に。
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