暁 〜小説投稿サイト〜
緋弾のアリア-諧調の担い手-
夏休みT
第二話
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の感想文の方を書くとしよう。

確か知り合った司書さんが夏休みシーズンは利用する人も増える為に、本を大量に入れると言っていたし、新書も気になる。

うちの学校は自由研究は基本的にやろうがやらないが自由だ。
その代わりに、宿題が他の学校よりも多い。進学校故だ。

まぁ、俺はやらないけどな。時間を割くのも面倒だし、鍛錬している方が気が進む。

本が整然と陳列された自身の身長よりも大きな棚の間を歩きながらめぼしい本を探す。
その過程の中で、俺は見知った顔ぶれを見つけた。

黒の長い後ろ髪に、前髪も長く、目も殆ど隠れてしまっている髪型をした少女。
その髪の向こうには、隠れてしまっているが銀縁メガネを掛けている。

俺と同じく、めぼしい本でも探しているのだろうか?
背後から近づいて声を掛ける。


「美咲?」

「―――ひゃわっ!?」


背後から声を掛けられた為か、奇抜な動きで軽い悲鳴を上げる少女。
……相変わらずか。


『…相変わらず、奇特ですね』

頭の中でイリスの苦笑が響く。思わず、俺も苦笑が口から漏れる。
―――中空知美咲。

俺達とよく行動を共にしている少女だ。出会ったのは小学校一年生の時。
豪く人見知り、特に男性恐怖症の様で最初の頃は話すだけでも苦労した覚えがある。

彼女も、原作のキャラの一人だ。

小学校に上がった時、クラス表で名前を見た時は同姓同名かと思ったけれど。
実際に会って見ると、俺の知っている姿をそのまま幼くした様な姿だった為に、直ぐに判別が出来た。

「……おい、美咲?」

「…ひゃっ!?と、と、と、時、夜さ、ん?!」

時夜さん、と言いたいのだろう。うん、滑舌の悪い事山の如しだ。


「おはよう、美咲」

「…おっおは、おはようござ、ございます!」


これでも昔から比べれば大分、改善された。
聞き取りにくいが、ちゃんと会話が一応の所出来ている。

だが、時間が掛り過ぎるな。

俺は図書館内ではマナーモードを義務付けられている携帯を片手に本棚の合間に身を置く。
そうして、とある番号に電話を掛ける。すると…。

すぐ近くより携帯のバイブレーション音が聞こえてくる。
ツーコールの後。

「おはようございます時夜さん」


携帯のスピーカーから聴こえてきたのは、淡々としながらも淑やかなアナウンサー喋りの少女の声。
喋り方で初めて聴く人には解らないだろうが、この声は…。


「ああ、改めておはよう“美咲”」


先程までおどおど、としていた少女のものだ。やはりは、こちらの美咲の方が話しやすいな。


「美咲は何か本でも探していたのかい?」

先程のまでの行動を見て、そう問い掛ける。


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