夏休みT
第一話
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との会話の途中。ふと、異常に発達した感覚。
超感覚と言ってもいい第六感。男としての本能が危険信号を発する。
甲高く、零れ出す悲鳴を耳にする。
それを聞き、言い訳がましく時夜はリアへと遺言を済ませる。
「…す、すまんリア!」
うろたえながら、後ずさる時夜。それと、同時にリアが動き出した。
膨大なマナを感知する。俺が気付いた時には目の前に碧銀色の何かが迸っていた。
刹那、頭部に甚大な痛みを受ける。頭蓋骨の半分は持ってかれそうな一撃だった。
回し蹴りを喰らった事を理解したその時。それと同時に、時夜の身体はリビングの端まで吹き飛ばされた。
「―――ぐぅ」
身体の節々が痛む、それ以上に頭に異常を感じる。
あまりの痛みに悶える。これで死なない辺りが、永遠存在であろう。
『時夜、生きてますか?』
「――――」
『…返事がない、ただの屍の様ですね』
「…勝手、に殺す、な…!」
『乙女の裸を見たんです、これ位当然の処罰です』
少し遅れて、きゃああああというリアの悲鳴が聞こえてくる。
悲鳴より先に回し蹴りが出るのかと、そう突っ込んでやりたかったが、イリスの言う通り、自分にも非がある。
それに、そこまでの余力が今の自分にはなかった。
「―――パパ、大丈夫…?」
「…あ、あ」
溜息混じりに、某幻想殺しの様に弱々しく呟く。
「………不幸、だ」
そうして、そこで時夜の意識はブラックアウトした。
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