あくる日の黄昏
第三話
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っていく。
背筋がぞわぞわ…とする。
「大丈夫、時夜くん?」
「いや、大丈夫だよ。……セリカ」
亮は善意でそう言ってくれているが、先程の腐女子どもの会話で意識してしまう。
少し距離を取って、近くにいたセリカに声を掛ける。
「何、時夜くん?やっぱり、具合悪くなっちゃった?」
「…ああ、保健室まで連れてってくれるか」
「うん、分かったよ。文ちゃん、時夜くん保健室連れて行くから、先生に言っておいてくれるかな?」
「分かったよー」
そうして、セリカに連れられてホールを後にする俺。
2
俺は後から後悔する事になる。
意識が朧気な為に忘れていたのだ、セリカが根っからの方向音痴だと。
「…それで、ここは何処なんだセリカ?」
「……あははっ…ごめんなさい時夜くん」
苦笑いを浮べるセリカ。少しの間意識を飛ばしていたら、見知らぬ場所に存在していた。
学校内の敷地なのだが、どの棟の校舎なのだろうか?聞こうにも、どの教室ももうホームルーム中。
当然の様に、人も通りかからない。
この学校には校舎が敷地内に三つ存在している。
少なくとも、一年生から二年生が在籍している俺達の校舎ではない。
セリカを選んだのは、明らかな人選ミスだった。
「…帰るか、セリカ。」
少しの間まどろんでいた為に、体調は幾分か回復した。
俺だけ保健室に行っても、今度はセリカが帰り道で迷子になるだろう。
この学校は無駄に敷地が広いのだ。迷子を探すとなると、かなりの時間を消費する。
前にも、迷子になったセリカを探すのに手間取った覚えがある。
まぁ、裏技で使ってマナを使って場所を特定したけれど。
セリカは自分が迷子になったと言う事実を納得しない、故に性質が悪い。
「……でも、時夜くん具合は大丈夫なの?」
「まぁ…まだ少し眠たいけど、学校終ったら今日は速攻で寝るから大丈夫だよ」
軽く、心の中で溜め息を吐く。
…今日は厄日か何かなのかな、何だか精神的にかなり疲れたよ…パトラッシュ。
.
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