あくる日の黄昏
第三話
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く色素薄い髪をして、それを一つに束ねた華奢な身体つきの少女。
秋月セリカ。俺の同級生で、クラスメートだ。俺の狭い交友関係の内の一人でもある。
だが彼女は俺とは対極的で、その持前の明るさと人の良さでクラスでも人気者。
そして、上級生や下級生にも顔が広い。まぁ、極度の方向音痴なのが玉に瑕だけれど。
後は、周りの人は知らないが超能力者だという事だ。
前に、学園の裏庭で傷付いた野生動物を治癒の能力で治していた所を目撃した事がある。
「無理そうなら言ってね。先生に言って、保健室に行ける様にしてもらうから」
「まぁ、大丈夫だから。気遣いは貰っておくよ」
あまり、細々とした会話でも気付かれる可能性もある。その為に、俺は早々に話を切り上げた。
そうして、心配そうな面持ちをして、渋々といった感じで校長の話に戻るセリカ。
それを尻目に俺はイリスとの会話に戻る。
睡魔と戦いながら、俺は意識を毅然と保つのだった。
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「…やっと、終わったか」
げんなりと、そう呟く。皆が椅子を立ち上がるも、俺はそこを動けずにいた。
真っ白と灰の様に燃え尽きていた。
イリスとの会話の途中。
襲い掛かり、着々とこちらの意識を睡魔が侵食していく為に、理性を保つのが大変であった。
「―――時夜くん」
「……んっ?」
呼び掛けられたが、一瞬反応が遅れた。
俺はワンテンポ遅れて、声の方向に振り返る。
「大丈夫なの、時夜くん?」
「ずっと、体調悪そうにしてたよね?…顔も少し青白いし」
そこには心配そうな面持ちをしている、幼馴染み二人の姿があった。
「…大丈夫だよ、ちょっとした寝不足だからさ」
笑みを浮かべて、立ち上がろうとするが…。
「―――わっと」
「危ない!」
バランスを崩しそうになり、亮に抱き止められる。
「…悪い、亮。」
「大丈夫だよ、時夜くん」
俺の方が身長が低い為に、自然と上目遣いとなる。
それに亮は、爽やかな笑みを浮かべる。
その光景を見ていた周囲の女子から歓声が上がる。耳を澄ませれば…。
「これはもう、不知火くん×倉橋くんで今年の夏のカップリングは決まりね!」
「良い小説のネタになるわ!」
『いえ、ここは敢えて亮くん×時夜もありですね』
等と、腐めいた言動が聞こえてくる。…婦女子怖い。
俺はそれを耳にして、すぐさま危ない足取りで亮から離れる。
というかイリス、何周囲に聞こえないからって言ってるんだよ。俺にそっちの趣味は毛頭ない。
「……うっ」
考えただけで、悪寒が背筋を通
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