あくる日の黄昏
第三話
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なければならない。
故に、心身共に大幅な疲労感が半端ないのだ。
そして今日はその訓練明けの為に、ほぼ寝てない。だから、今の俺は既に疲労困憊状態だ。
本来ならば、土日などに行われるのだが、お父さんの都合が合わなかった為に昨日になった。
……もう、ゴールしてもいいよね?
心の中でそう誰にでもなく問い掛ける。
そうして、マナを操作して“認識阻害”の術式を俺自身に掛ける。
これで眠っていても周囲には俺は生真面目に話を聞いている“優秀な生徒”として見られる筈だ。
普段の俺の素行は可もなく不可もなく、普通だろう。
亮の様に、つまらない話を一々聞いているつもりは毛頭ない。
そんな思考も深淵へと沈んで行く―――が。
不意に、思考が覚醒させられる。異変に気付く。…認識阻害の術式が発動していない?
“何か”に術式への干渉が及ぼされた。今、ここでこれが出来るの存在は―――。
「……イリス?」
『はい、いい天気ですね時夜』
無駄に元気な機械音声が頭の中に響く。時夜は睡魔と戦いながら重い瞼を開けた。
(…あの、イリスさん?俺凄い眠いんだけど)
心の中でそう呟く。
だが、それを無視してイリスの言葉が続く。
『周辺地域の雲と風向、速度を元に計算した所、本日の天気は快晴。降雨確率はほぼ0パーセント、素敵な位の洗濯日和ですね。』
(……そうだね、洗濯日和だ)
力弱く、イリスの声に頷く。
…こんな中、干したての布団で昼寝が出来ると気持いいだろう。
(……暇なのか、イリス?)
『あ、バレました?実は、昨日から計算領域が無駄に余っているんですよ』
(……そんな所だと思ったよ)
思わず、心中で溜息を洩らす。昨日の夜錬にはイリスは参加していない。
その為に、人間で言う所の体力を持て余しているのだ。
(…しょうがないな、話に付き合ってやるよ)
『ええ、ありがとうございます』
イリスのせいで、眠いのだが眠れなくなってしまった。
きっともう一度、術式を発動してもイリスに防止され、止められる事だろう。
…寝たくても、寝れない。社会的に死ぬ。
そう考えると、寝不足の気だるさも吹き飛んでしまった。
「……ふぁあ」
欠伸を噛み殺して、視線を眼下の壇上に向ける。
「寝むそうだね、大丈夫?」
「んっ…ああ、大丈夫だ」
不意に前の席に座っていた少女に小声で話し掛けられた。
周囲の教師はこちらには気付いていない。
「少し顔色も悪いし、ちゃんと睡眠とってるの?」
「…まぁ、ちょっとした寝不足だから大丈夫だよ。心配してくれてありがとうな、セリカ」
俺と同じ
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