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緋弾のアリア-諧調の担い手-
after days
第一話
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…時夜、安静にしていないとダメですよ」

「むぅ、先生も言った様にもう殆ど完治に近いんだから大丈夫だよ。俺も見送りに行きたい」

「それでも、まだ万が一と言う事もありますから」

「…………」

「…………」


俺とお母さんの間に沈黙が走る。互いに目を見つめたまま微動だにしない。静寂が場を包み込む。
だが、その均衡も自ずと崩れた。


「……ハァ、分かりました。見送りに行くだけですよ」

「やったね!」


先に折れたのはお母さんの方だった。その様子を微笑ましく見守るシャルニーニ。
その後、お母さんと共に玄関先まで先生を送りに出る。


「…それでは時深さん、時夜くん」

「…はい、この度はお世話になりました。また何時でも立ち寄って下さいね?」

「…先生、お世話になりました」

「いえいえ、また立ち寄らせて頂きますよ。それでは―――」


そうして、白銀色の髪を靡かせて先生は扉の外側の世界へと消えた。







4







「……ハァ、暇だ」


今は昼食を終えて、俺は再び自室のベッドの中にいた。
時折、時切と軽い雑談に興じるが、それも飽きてくる。手元にある本も読み飽きた感がある。

リアは、先程まではいたのだがお母さんの代わりに夕食の買い出しに出かけてしまった。

本来ならば、お母さんが行く所なのだが未だに心配なのかあまり俺の傍を離れない。
……全く、親バカだよな。ウチの両親は。だが、それだけ愛されていると実感する事が出来る。


「……んっ?」


いっそ寝ようか、そう思っていた時。部屋のドアが開き、一人の男性が入って来た。

肩まで届く程の青み掛った銀髪が、積み重なった物によって途切れ途切れに見える。
その積み重なる物は、本だろうか?分厚い装丁の本だ。


「……お父さん?」


顔は見えないが、その背丈と髪型は自らの父親である倉橋凍夜に他ならない。


「…んっ、起きていたのか時夜」

「うん」


本の塚から顔をずらして、蒼穹の瞳が此方を見据える。


「……それ、何?」


ベッドから上体を起き上がらせて、自らの父に最も疑問を問い掛ける。
思わず、小首を傾げてしまう。頭に疑問符が浮かぶ。


「これか?お前が頼んでいた物だぞ」

「………?」


俺が頼んでいた物?確かに俺はお父さんに頼みごとをしていた。
思い当たるものは一つしかない。……もしかして。


「……それ、全部花の図鑑?」

「ああ、そうだ」


幾重にも積みかねられた分厚い装丁の本。それらは全て、俺が頼んでいた花の図鑑だと言う。


「…そ、そんなにどうす
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