外伝〜ジェニス王立学園解放作戦〜後篇
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エステルの話を聞いたヨシュアは信じられない表情をし、クルツは疑問に思った。
「あたしもそれが気になったんだけど、それだけの税金を納めて本国の人達は十分な生活をしているそうよ。レンでさえ300万も貰っているって聞いたし。……まあ、プリネ達とかみんな凄い金額を毎月もらっているらしいけど、そんなに貰ってもほとんどは国庫に廻しているって言ってたわよ。ちなみに国庫のお金からイーリュン教が経営している孤児院の経営金の大部分が出ているそうよ。」
「どれだけの国力があるんでしょうねぇ?メンフィルは。」
「そうだな………私はメンフィル帝国領のギルドに出向した事もあり、市民も言っていたが、以前より税が軽くなり生活が潤っている事を話していたことを聞いた事がある。一体どんな政治をしたら、民の生活を潤わせ、考えられないほどの税を徴収できるのだろうな………」
エステルの話を聞いたアネラスは苦笑し、クルツは真剣な表情で答えた。
「まあ、あたしとミントもリフィア達みたいに毎月もらっているほとんどはあたし達が変更を申し出るまではメンフィルの国庫に8割ぐらいは廻してもらっているわ。」
「………エステルちゃん。毎月そんなにもらっていたら遊撃士をやる必要なんて、ないんじゃないの?というかずっと遊んで暮らせるよ?」
「そんな事していたら公爵さんみたいになっちゃうわ!それにあたし達は遊撃士の仕事が大好きだし。」
アネラスに尋ねられたエステルは答えた。
「……その考えは立派だけど、エステル。それでも2割ぐらいは貰っているんだよね?なんで?」
「ギクッ。ほ、ほら!あれよ!何かあった時用の貯金よ!(実はストレガー社の新作の靴や新しいロッドとかをいつでも買えるようにしている為に貰っているなんて言えないわ……)」
「ミントはマーシア孤児院にお金を送っているんだ!今までお世話になったお礼を少しでも返すちょうどいい機会だもの。ツーヤちゃんも一緒に送っているよ!」
ヨシュアに尋ねられたエステルはヨシュアから視線を外した後、心の中で考えている事がばれないように慌てて言った。一方ミントは嬉しそうな表情で答えた。
(ミントはともかくエステルは絶対嘘だろうな………エステルの事だから、大方ストレガー社の新作や釣りの道具を買う為にもらっていそうだな……)
その様子を見たヨシュアは心の中でエステルが言っている事が嘘だと気づいた。
「………まあ、どう使うかは君達次第だから、私は何も言わないが………無駄遣いだけはやめておくのだぞ?君達のお金は市民の血税なのだから。」
「うん、わかっている。」
「遊撃士として貰っている依頼料も市民の人達が働いたお金だものね。」
クルツに真剣な表情で言われたエステルとミントは頷いた。
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