外伝〜ジェニス王立学園占拠事件〜後篇
[2/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
コリンズは表情には出さず、心の中で驚いた。
「噂によると、この学園に在籍なさっているようですね。どの生徒がそうなのか教えて頂きましょうか?」
「……何を言っているのかさっぱり分からないな。確実に言えることは……この学園にそのような娘は存在していないということだ。君の完全な見込み違いだぞ。」
ギルバートに尋ねられたコリンズは静かに答えた。
「はは、あくまでとぼけるおつもりですか。まあいい、時間はたっぷりある。じっくり見定めるとしましょう。」
「くっ……」
口元に笑みを浮かべて語るギルバートをコリンズは唸った後、睨んだ。
(彼が今回の首謀者か……。そういえば学園のOBという話だったな。)
学園長室の様子をうかがったヨシュアはさまざまな場所の様子をうかがい、生徒達がいるであろう、教室の様子をうかがった。
(あ……)
窓から教室の様子をうかがうと、そこにはジル達がいた。そしてヨシュアは窓をノックした。
〜教室〜
「なんだ……?」
「今……何か音がしなかった?」
ノックの音に気付いたハンスは首を傾げ、ジルは言った。
「……こっちか?」
そしてハンスは窓際に寄った後、驚いた。
「なっ……!」
(……静かに、ハンス。大声を上げたら見張りに気付かれるよ。)
大声を出しかけたハンスに窓の外にいるヨシュアは小声で警告した。
(わ、分かった……。……しかしお前ねぇ。この状況で大声を出すななんてかなり無茶なこと言ってるぜ?)
(はは……ゴメン。)
ハンスの言葉を聞いたヨシュアは苦笑した。
(ちょっとハンス……。窓の外に誰がいるわけ?)
その時ジルが興味深げに寄ってきた。
(おい、押すなって。あのな……絶対に大声上げるなよ。)
(はいはい。この生徒会長のジル様がそんじょそこらのことで大声を上げるわけが……)
ハンスの忠告を聞き流すような様子で頷いたジルは窓の外にいるヨシュアを見た。
(〜〜〜っ!!!)
ヨシュアを見たジルが叫び声を上げそうになり、ハンスがとっさにジルの口を覆った。
(やっぱり大声を出しそうになったな……)
(そ、そりゃ驚きもするわよ!何よヨシュア君!どうしてそんな所にいるの!?)
呆れた様子で言ったハンスの言葉に小声で反論したジルはヨシュアを見て尋ねた。
(久しぶりだね、ジルさん。時間がないから手短に説明するけど……)
そしてヨシュアは今までの経緯と一人の男子生徒の報せで学園の異変を知ったことを説明した。
(なるほどな……。要するに、学園を解放するためにギルドが動いているってわけか。)
ヨシュアの説明を聞いたハンス
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ