外伝〜ジェニス王立学園占拠事件〜前篇
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ティータの話を聞いたエステルは暗い表情で頷いた。
「どの道、導力兵器が動かない以上、軍の部隊もアテにならないだろう。白兵戦に慣れている俺たちがケリをつけるしかなさそうだ。」
「そうですね。……そうだ、エステル、ミント。君達の護衛部隊は呼べないのかい?メンフィル兵達なら白兵戦が専門だし……」
ジンの言葉に頷いたヨシュアはある事を思い出して、2人に尋ねた。
「それはあたしも考えたけど、今すぐは無理よ。ルーアン地方で戦っていたあたし達の護衛部隊の人達が今、どこにいるか知らないし………リウイなら知っているだろうけど、今の状況だと大使館には繋がらないでしょ?」
「うん。……こんな事なら、ミント達の護衛部隊の人達が戦いの後、どこで待機しているのか、プリネさんのお父さんに聞いておけばよかったよ………」
ヨシュアに尋ねられたエステルとミントは暗い表情で答えた。
「そうか……なら、今の戦力で何とかするしかないか……」
2人の答えを聞いたヨシュアは真剣な表情で呟いた。
「ただ、学園の関係者が捕まっているのは間違いないわ。迂闊に動くのも危険そうね。」
「確かに……。何とか内部の状況が分かるといいんだけど……」
シェラザードの言葉にエステルは溜息を吐いて頷いた。
「………………………………。……少しだけ待ってて。学園内の様子を調べてくるよ。」
その時、真剣な表情で考え込んでいたヨシュアがある事を提案した。
「ヨ、ヨシュア!?」
「……どういうこと?」
ヨシュアの提案を聞いたエステルは驚き、シェラザードは尋ねた。
「偵察などの隠密行動は僕が最も得意とする分野です。敵戦力と人質たちの状況を一通り調べられると思います。」
「なるほどな……」
「ふむ、それが可能なら是非ともやってほしいところだが。」
「で、でも!それって危険なんじゃ!?」
「そうだよ!危険だよ、パパ!」
ヨシュアの説明を聞いたアガットとジンは納得した様子で頷いたが、ティータは血相を変えて尋ね、ミントも同意した。
「大丈夫、もっと厳しい状況で潜入活動をしたこともあるから。心配はいらないよ。」
「で、でもでも〜っ!」
「……ヨシュア。どうしても1人で行くつもり?なんならパズモも付けてもいいのよ?小さな体のパズモならあまり目立たないだろうし。」
「……よければ私も一緒に行きましょうか?”霊体”の私なら姿を消しての移動も可能ですが。」
ヨシュアの説明を聞いたティータは食い下がろうとしたが、エステルは静かに問いかけ、リタが続くように話した後、尋ねた。
「単独で行動した方が成功率は高くなるからね。ここは1人で行かせてほしい。」
「そっか……。……1
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