8章〜混迷の大地〜第99話
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な。せいぜい両手で持てる大きさくらいのオーブメントくらいなんじゃ。」
「両手で持てる大きさ……」
「むう、そうなるとかなり限られてきちまうな……」
博士の説明を聞いたティータとアガットは考え込んだ。
「第二に……数に限りがあるということじゃ。カシウスに頼まれていたとはいえ、16個しか完成できなかった。」
「16個……結構多いと思うんだけど。って、父さんに頼まれていた?」
「うむ……しばらく前にわしの所に来て開発を依頼していったんじゃよ。その時は、こんな騒ぎになるとは夢にも思っておらんかったが……」
「そ、そうなんだ……」
「さすが旦那。先の先まで読んでいたわけか。」
博士の話を聞いたエステルは驚き、ジンは感心していた。
「しかしそうなると……16個の使い方というのはほぼ決まってしまいますなぁ。」
そしてケビンが考え込んだ後、苦笑しながら言った。
「ほう……お前さん、なかなか鋭いな。」
「え、え、どういうこと?」
ケビンの話を聞いた博士は感心し、エステルは訳がわからず尋ねた。
「混乱の最中で一番重要なんは何をおいても素早く正確な情報や。結社の連中が現れたとしても、必需品をどこかに運ぶにしても、情報が届かんかったら対処できん。そうなると……」
「各地にある通信器を回復させるために使う……つまり、そういう事ですね?」
理解できていない様子のエステルにケビンが説明し、ヨシュアがケビンの説明を続けた後、尋ねた。
「ビンゴや♪」
ヨシュアに尋ねられたケビンは嬉しそうな表情で頷いた。
「そっか、確かに……」
2人の説明を聞いたエステルは納得した表情で頷いた。
「軍としても、導力銃や飛行船が使えなくなったのは致命的だが……。司令部や各部隊との連絡が途絶してしまったのも深刻だ。特に王城、ハーケン門、レイストン要塞の間の連絡は早急に回復しておきたい。」
「ギルドにしてもそれは同じ……。支部間の連絡が取れなかったら何か起こっても対処できないわ。」
「ふむ、異存はないようじゃの。それではユリア大尉。王国軍には10個の『零力場発生器』を渡そう。それだけあれば、アルセイユ、王都、レイストン要塞、ハーケン門、各地の関所がカバーできるじゃろ。」
ユリアとシェラザードの話を聞いて頷いた博士は言った。
「……かたじけない。早速、伝令を出して各地に届けさせるよう手配します。」
博士の言葉を聞いたユリアは明るい表情で頷いた。
「そして遊撃士協会には6つの『零力場発生器』を渡そう。各地のギルドにある通信器を回復させられるはずじゃ。」
「うん……分かったわ!」
「間違いなく届けます。」
博士の言葉にエステ
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