8章〜混迷の大地〜第99話
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き、冷や汗をかいた2人は慌てた様子で尋ねた。
「………………………………。……この段階で俺たちに出来ることは1つしかない。」
「それって!?」
キールの言葉をジョゼット達は声を揃えて尋ねた。
「このまま天に召されないよう女神達に祈ることくらいかな……」
キールが疲れた表情で呟いたその時、山猫号は重力に任せて落下していった。
「うそおおおおおおおっ!?」
「どえええええええええっ!?」
そして山猫号はどこかに落下した。
導力停止現象により、各地は混乱していた。ルーアンでは跳ね橋が上がった状態で停止して、住民達は困り――
――ツァイスでは市民たちは中央工房に押し寄せ、事情の説明をマードック工房長に求め―――
――ロレント近郊の街道では王国軍の警備艇が街道の真ん中に墜落していた――
そしてヴァレリア湖では墜落を免れていたアルセイユの甲板でユリアと博士が今後の事を話し合っていた。
〜遊撃士協会・ボース支部〜
その頃、エステル達はボースのギルドで今回の件をギルド内で合流したミントと受付のルグランに報告した。
「ふむ、四輪の塔でそんな事があったとはな……。まったくご苦労じゃったな。ともあれ、お前さん達には報酬を渡しておくとしよう。」
エステル達の報告を聞いたルグランは疲れた表情で頷き、エステル達に報酬を渡した。
「……しかし、とんでもない事態になってしまったものじゃ。まさか、オーブメントが使えなくなってしまったことがこれほどの混乱を呼ぶとはの……」
「うん……日頃どれだけオーブメントの恩恵を受けていたのか思い知らされたわ……」
「料理をしたり、部屋を暖かくしたりするのも全部、オーブメントに頼っていたものね……」
「そうだね……。通信、交通、国防、生産ライン……。国家機能がマヒしたのと同じだからね。」
疲れた表情で溜息を吐いたルグランの言葉にエステル、ミント、ヨシュアは重々しく頷いた。
「市民にとって心配なのは照明と暖房でしょうね。昨日の夜はずいぶん街が混乱したんじゃないの?」
「うむ……。ギルド、工房、市長邸に市民が押し寄せて大変じゃった。何が起こっているのか聞かれてもこちらも答えようがなくてのう。おかげで寝不足じゃよ、ふう。」
シェラザードに尋ねられたルグランは頭を押さえて答え、溜息を吐いた。
「そっか……お疲れさま。」
「例の浮遊都市の件もあるし、かなりマズイ状況みたいだな。パニック一歩手前ってところか。」
「まあ、リベールは治安がいいから暴動の心配はなさそうだが……この状況が続けば皆、参ってしまうかもしれん。」
「うむ……早急に対策を取ら
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