第98話(7章終了)
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バルティスが現れて驚いた事に気を取られて、言うのをすっかり忘れておったわい。」
「えっ……」
「何が記されていたんですか?」
博士の話を聞いたエステルは驚き、ヨシュアは尋ねた。
「”デバイスタワー”の機能じゃ!4つの塔は、”輝く環”を異次元に繋ぎ止めておくために建造されたものらしい!」
「い、異次元……?」
「そんな所に”輝く環”が!?」
「ちょ、ちょっと待ってや!それじゃあもしかして、あの”裏の塔”の空間は……」
「うむ、その次元に属していた空間なんじゃろう。そして”ゴスペル”の正体は……」
博士の説明を聞いたエステルとヨシュアは驚き、ケビンは信じられない表情で尋ねた事を博士が頷き、説明しようとしたその時
「―――ええ。”輝く環”の『端末』です。」
艦内にはいないはずのある人物の声が響いた後、なんといきなりモニターが起動して、ワイスマンが映し出された!
「!!!」
「きょ、教授!?」
「なにッ!?」
「こ、この人が……」
「………………………………」
「あの人がエステル達の真の敵……ですか。」
モニターに映っているワイスマンを見たヨシュアは目を見開き、エステルは信じられない表情で呟き、エステルの呟きを聞いたアガットとクローゼは驚き、ケビンとリタは真剣な表情でワイスマンを睨んでいた。
「ど、どうして勝手に……。リオン!一体どうなっているんだ!?」
ユリアも驚いた後、部下に尋ねた。
「わ、分かりません!先ほど通信が入ったと思ったらいきなり制御が奪われて……」
「ハッキングというやつか……。高度な情報処理システムが仇になってしまったようじゃの。」
ユリアの部下の報告を聞いた博士は苦々しい表情をして答えた。
「フフ……初めまして、ラッセル博士。それだけのシステムを自力で実現されたとは驚きです。さすが、かのエプスタイン博士の直弟子の1人だけはある。」
「ふん、イヤミか。言っておくが、航行制御はシステムから独立しておる。操ろうとしてもムダじゃぞ。」
ワイスマンに感心された博士は鼻を鳴らした後、ワイスマンを睨んで答えた。
「いえいえ。そんな事はしませんよ。せっかくの決定的な瞬間を見逃して欲しくなかったのでね。わざわざ連絡しただけなのです。」
「なに……?」
「決定的な瞬間……まさか!」
「フフ、その位置だと前方甲板に出るといいだろう。それでは皆さん、よい夜を。」
エステル達に意味ありげな事を言い残したワイスマンの映像はなくなった。
「ヨシュア……!」
「ああ……甲板に出よう!」
そしてエステル達は甲板に急いで向かった。
〜アルセイユ・甲板〜
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