第12話 光
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………?』
光の中に、手を伸ばすマカロフ。夢だと頭で判っていても、それでも 最早単なるの夢だとは思えなかった。何か、意味がある夢。何かの予知夢の類、だと言うのだろうか?
考えても判らない。ただただ、光にその答えを求めようと手を伸ばし続けた。
『……あの……、愛おしい……。フェアリーテイル………、心を、くれた……………』
伸ばした手は何も掴めない。
だけど、身体の全てを包み込まれている感覚はある。信じられない程、大きな存在感だった。
『三代目マスター・マカロフ……。フェアリーテイル ギルド・マスター……』
『………………光、お主は一体……』
光の正体が判らない。だけど、そこには、悪意といった類の魔力……そういったものは全く感じなかった。警戒すらする必要のない、そう思える程に。
そう、言うならば、《優しい光》だった。その光は 遂に核心を、話し始めた。
『あの子を……、どうか、頼む……………』
その光の言う《あの子》が一体誰の事なのか、判らない訳はない。
今日出会い、家族となったその日の夜に、この光の夢を見たのだから。
『我には…………、出………なかったが、この子は………、我の……………』
初めて光は、寂しそうな声を出していた。
だが、マカロフは この時 光が話した《あの子》の事しか、頭になかった。
『何者、なんじゃ? お主は。 それに、あの子というのは、ゼクト……のことじゃな?』
『………………………………』
光にマカロフはそう尋ねると、僅かな沈黙の後。
『ああ…………………』
返事が返ってきた。それが、肯定しているものなのかどうか、それを判断する事は出来なかったが。
『我は、願った……。……願いに、願った……。その願いが………、こういう形……、というのは、…………嬉しいものだ……。………大差ない………、故に―――。まぁ、身に纏う―――了は―――――、仕様がないが――――』
徐々にではあるが、声がまた訊こえづらくなってきた。
だが、最後の言葉だけは、はっきりと判った。
『愛おしきギルドの長……。今一度……、頼む。あの子を 宜しく頼む…………』
そう―――はっきりと判った。
そして、その願いに、答える言葉も決まっていた。
『……任せるが良い。それは、無論であり、愚問じゃ。……約束、しよう。あの子の事、《ゼクト》の事は、儂らに、《フェアリーテイル》に任せてくれ。………そして、まぁ あわよくば、お主の願いの通りと判断したならば、お主の事、教えてくれるか?』
マカロフは、固く宣言をした。
そして、その言葉に光は…
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