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竜から妖精へ………
第12話 光
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ろはあるさ。評議員の奴ら、その下部組織だとは思うが、そいつらは、ちゃんと、向き合わなかったんだろうな。コイツ……ゼクトは、向き合って話せば ちゃんと判る。其れくらいの心は持ってると思うぜ? ゼクトが、いきなり、相手を攻撃……なんてことするなんて思えねぇ。よっぽど初対面がまずかったんだろうな。印象ってか……無理やりの実力行使できたのか……」

 ギルダーツも呆れた様にそう言って頭を掻いた。
 ギルダーツの名は、非常に有名だ。その力は大陸でも屈指のものである、と言う呼び声だって高い。本人はそう言う類の事を気にする性格ではないから、表立って()に上ろうと言って類の野心は持ち合わせていない。

 ただただ、家族と一緒に、ずっと楽しく過ごす。それが目的だから。

「でもまあ、これからは、ゼクトはウチのギルドの仲間、もう家族だ。もう、連中の目に止まる様な事をする、そう言うことはないだろうさ。まぁ、魔力に関して目をつけられてるから、連中が接触してくるかもしれねぇが、こっちも、黙っちゃいねえだろ? マスター」

 ギルダーツは、そう聞くと、マカロフは腕を組んで深く頷いた。

「んなもん、言うまでもないわい。無論じゃ。もう家族なんじゃぞ? ……ガキを守らん親などおってたまるかぃ。……こんなにフェアリーテイルを。我が家(・・・)を愛してくれているガキじゃぞ……? 共に過ごした時間等関係ない。………答えてやらんとな」

 真剣な表情から一変した。マカロフは 優しい表情でゼクトを……、そして、その周りを囲むように、まるで『何処にも連れて行かせない』と主張しているかの様に、周りに集って寝ている他の子供にも視線を向けた。

 その寝顔をみて、このギルドの未来は安泰。――そう感じた。


「ふふ。まるで、ゼクトは、光のようじゃな……」

 マカロフは、そう呟いた。

「………ああ。確かに、な。同感だよ」

 ギルダーツも頷いた。


 《光》


 それは、人にとって、無くてはならないものだ。
 そして、その周りには自然と人が集まるものだ。

 ゼクトは、入ったばかりだと言うのに、入ってまだ1日目、だと言うのに、ギルドの殆ど全員を笑顔にしている、光と形容出来る程の輝きを見せていた。そして、更に暴れて? もいるが、初日でそんな事になるなんて、前代未聞。

 そうそう出来る事でもないだろう。

 通常は、長年積み重ねてきた信頼。そこから、時には衝突したり、ケンカにまで発展したりして、育んでいく。それが当たり前だ。

 切欠は、子供らしからぬ、《力》を持っているから、と言う理由があるのかもしれない。でも、それでも ただ強いだけで 人と人の、……家族の輪の中に入る等、出来る筈もない。
 ましてや、まるで、長年
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