第7話 キヅキ
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回凛ちゃんを傷付けてしまったこと自分自身が許せないみたい......
突如、私のスマートフォンが通知の音楽を鳴らす。
ブレザーのポケットから取り出して確認すると案の定凛ちゃんからの連絡が入ってた。
内容を確認して私は肩を落とす。
「凛ちゃん...寝坊したから先に行ってて、って連絡が入ったよ」
「そ......っか。そう、だよね。流石に都合が良すぎるもんね。凛ちゃんが来たら謝ろうだなんて」
「そんなことないよ!春人くんは????」
......春人くんは、なに?
そこまで言いかけた私の言葉が止まる。これ以上は言えない気がしたから。
「...いこ?春人くん」
「わかった。あとで、凛ちゃんに話ができると、いいな」
「大丈夫だよ春人くん。きっと仲直りできるよ」
私と、春人くん。
一人足りない”私たち”は、いつもの通学路をいつものように歩き出す。
毎日一緒に喋りながら登校することがなんとなく当たり前のようになっていたの。
ワイワイ盛り上がりながら登校する日もあれば、一言、二言話すだけの日もあった。それだけの会話をしていたのがついこの前のように思い出されて懐かしく思う。
春人くんの右隣をチラリと横目で見る。
そこは凛ちゃんの定位置。
いつものような凛ちゃんの姿は無く、静かで会話一つない登校だった。
〜☆〜
しばらく歩いたところで春人くんと別れ、私一人音ノ木坂へ足を運んだ。
自分の机にカバンを置いてようやく落ち着いて一息つく。そのついでにぐるりと教室内を見渡すもやっぱり凛ちゃんの姿は見当たらない。
教室の片隅で既に2,3人のグループや中央で4,5人のグループを見かけるようになった。妙にバタバタ慌ただしい雰囲気だけど......
「もう......クラスに友達つくったんだなぁ」
と、私は小さく呟いた。羨ましくは思うけど私から話しかけるなんてできないし、きっといつかはできる......かな?いつも元気に話しかける凛ちゃんも今はいないし、とりあえず教科書を取り出そうとカバンの中を開ける。
その時、視界の隅に一人のクラスメートが映り込んだ。その子は私の左後ろの席の持ち主で、赤くてカールのかかった綺麗な女の子だった。
その子は誰かに話しかけるは勿論のこと、挨拶も交わさないで悠々と席に座り、授業の準備を始める。
綺麗な女の子だなぁ〜っと、思った瞬間
「......っ!?」
「......?」
あわわわわ......め、目が合っちゃったよぉ!思わず顔を伏せて誤魔化すけど赤い髪の女の子はじっと私を見ている。睨んでいるのか
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