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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(SC篇)
第94話
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いたヴァルターは眉を顰めた。

「ええ……。……ねえ、ヴァルター。どうして私を私として見てくれなかったの……?」

「!!!」

キリカの言葉を聞いたヴァルターは驚いた!

「貴方が父に何を言われたのか詳しいことは分からない。でも、それは私たちの付き合いに何の関係もなかったはずだわ。ましてや、ジンには尚更ね。」

「!?」

「………………………………」

キリカの話を聞いたジンは驚き、ヴァルターは黙り込んだ。

「……やっぱりそうだったのね。ヴァルター……馬鹿なひと。父がそういうことを考える人だとでも思ったの?」

「ジジイは関係ねぇ……俺自身のケジメの問題だ」

「ちょ、ちょっと待て……。ヴァルター!師父に何を言われたんだ!?それと俺と何の関係がある!?」

2人の会話に訳がわからなかったジンはヴァルターに尋ねたが



「るせえ……てめえに教える義理はねえ。」

ヴァルターは相手にせず、誤魔化した。

「ええ、ジンには関係ない。でも……私に話す義務はあったはず。そうしないで消えたのは怠慢以外の何物でもないわ。」

「………………………………」

「私は……私を私として見られない人に未練なんてない。何処へなりと消えればいいし、堕ちるなら堕ちればいい。私はあくまでギルドの人間として対処させてもらうわ。」

「……ククッ……。アーッハッハッハッ!」

キリカに睨まれたヴァルターは突如高笑いをした。そしてヴァルターが笑っていると”翡翠の塔”の時と同じように装置の機能も止まった。

「あ……!」

「戻るのか……!」

エステルとヨシュアが声を上げたその時、結界は解けた。

「クク……今回のお役目は完了か。……キリカ。最後に会えて嬉しかったぜ。」

結界が消えるのを確認したヴァルターは口元に笑みを浮かべてキリカを見て言った。

「私は嬉しさ半分、憂鬱半分ね。もう会うこともないでしょう。」

「ああ……後は俺とコイツの問題だ。しかしお前、こんな時くらいしおらしく振る舞えねぇのか?最後までキツく当たりやがって。」

「ふふ……そこに惚れていたのでしょう?」

「クク……違いない。」

キリカの言葉を聞いたヴァルターは不敵な笑みを浮かべた後、素早い動きで屋上の手すりの近くまで移動した。

「お、おい!?」

ヴァルターの行動にジンは驚いて声を上げてヴァルターに近づいた。



「……ジン。どうして俺とジジイが死合うことになったのか……それが知りたければ俺を打ち負かしてみせと。ジジイがてめぇに遺した『活人拳』をもってな。」

そしてなんとヴァルターは塔から飛び降りた!

「なっ……!」

「ちょ、ちょっと!?」


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