第94話
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〜紅蓮の塔・屋上〜
「くっ………あれだけの傷を負って、よくあんな動きができるわね……というか、リタ、見た目は可愛いのに容赦ないわね……」
自分達の攻撃が回避したヴァルターをエステルは睨んだ後、冷や汗をかいてリタを見た。
「フフ……敵に手加減する必要なんてないよ?エステル。」
エステルに見られたリタは可愛らしい微笑みを浮かべた。
「さすがに手強いな……」
一方ヨシュアは警戒した表情でヴァルターを睨んでいた。
「(チッ。どうなってんだ?俺の攻撃を一切受けていないようだが………)……どうやら功夫だけはそれなりに練っていたようだな。だが、動きが愚直すぎるぜ。古ぼけた”泰斗流”なんぞにいつまでも固執してるからだ。」
ヴァルターはエステル達と共にいるリタに視線を向けた後、心の中で舌打ちをし、油断なく構えているジンを見て言った。
「ふふ……」
「……何がおかしい?」
急に笑い出したジンを見たヴァルターは眉を顰めて尋ねた。
「あんたは確かに天才だが、肝心な事が分かっていないな。師父もさぞや無念だっただろう。」
「ほう……。てめぇ、ジジイの代わりに俺に説教しようってのか?」
「そんな大それた事は考えちゃいないさ。だが、拳を交えてみて一つ分かったことがある。今の俺が、あんたに勝つのは難しいだろうが……代わりに負けもしないだろう。あんたの拳じゃ俺は倒せんよ。」
「………………………………。クク……面白れぇ。まさかてめえの口からそんな台詞を聞けるとはな。ヒマつぶしに味見するだけのつもりだったが、気が変わった。」
ジンの説明を聞いたヴァルターは少しの間黙った後、不敵に笑い、そして身体全体にすざましい気を練り始めた!
「構えろ、ジン……。格の違いってヤツを思い知らせてやる……」
「………………………………」
ヴァルターの言葉に応えるかのようにジンも同じようにその場で身体全体にすざましい気を練り始めた!
(ど、どうしよう!?)
(これは……入り込めなさそうだ。)
2人の様子を見たエステルは慌ててヨシュアを見て尋ね、尋ねられたヨシュアは真剣な表情で2人を見て答えた。そして2人は1対1の戦闘を始めた!2人の戦闘はすざましい攻防が繰り広げられ、周りの柱も破壊されるほど2人は常人では決して見えない”達人”同士の戦いを繰り広げていた。
「クク……でかい口を叩くだけあってなかなか粘るじゃねえか……」
油断なく戦闘の構えをしているヴァルターは凶悪な笑みを浮かべてジンに言った。
「あんたこそ……それだけの天賦の才を持ちながらどうして武術の闇に引きずられた!そのまま師父の元で励めば正道の極みに至れただろうに!」
一方ジンはヴァルター
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