7章〜四輪の塔〜 第91話
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その後アルセイユは”翡翠の塔”の上空に到着した。
〜アルセイユ・ブリッジ〜
「”翡翠の塔”上空に到着した。」
「は〜、さすがに速いわね。到着まで30分もかからなかったんじゃない?」
ユリアの報告を聞いたエステルは感心した様子で呟いた。
「えへへ、そのくらいだと思うよ。定期船の3倍近くのスピードが出ているはずだから。」
「なるほど……」
「フフ、私達の世界にもあれば、すぐに他の国に行けますね。」
嬉しそうな表情で語るティータの説明にエステルは頷き、リタは微笑んで答えた。
「”翡翠の塔”の屋上はどのようになっていますか?」
「今、ディスプレイに出そう。」
ヨシュアに尋ねられたユリアはディスプレイに”翡翠の塔”の黒い球体に包まれた屋上の様子を映し出した。
「な、なにあれ……」
「例の”ゴスペル”が生み出す黒い波動に雰囲気は似とるが……」
「じゃが、波動と違って広がらずに塔の屋上を包み込んでおる。いずれにせよ、これ以上は近づかない方が賢明じゃろう。」
ディスプレイで翡翠の塔の様子を見たエステルは驚き、ケビンは真剣な表情で考え込み、博士は忠告した。
「ユリアさん。地上に降りるにはどうすればいいんですか?」
「あいにく”アルセイユ”が着陸できそうな場所がなくてね。滞空状態でリフトを降ろすからそれに乗って降りてほしい。」
「リフト?」
「榴弾砲を出す時などに使われる貨物用のリフトです。船倉に設置されているんですよ。」
ヨシュアの疑問に答えたユリアのある言葉に首を傾げているエステルにクローゼは説明した。
「そっか……」
「それじゃあ、塔の内部を調査するメンバーを選ぼうか。」
そしてエステルとヨシュアはクローゼ、ケビン、リタをメンバーに選んだ。
「メンバーも選んだ事だし、行こうか。」
メンバーを選び終えたヨシュアはエステルを見て言った。
「………ん〜、ちょっと待って。その前にやる事があるのを思い出したから、先にそっちをやっておくわ。」
「?何をしたいんや、エステルちゃん。」
エステルの言葉を聞いたケビンはエステルに尋ねた。
「すぐにわかるわ。ユリアさん、アルセイユに通信器って付いている?」
「勿論、付いているが………どこと通信するのだい?」
エステルの疑問に頷いたユリアはエステルに尋ねた。
「あはは………まあ、見てて。とりあえず通信器を借りるわね。」
ユリアに尋ねられたエステルはブリッジに装着されてある通信を使って、会話が全員に聞こえるように設定し、ある場所にかけた。
「…………こちらメンフィル大使館、執務室。」
するとブリッジ内にある人
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