7章〜四輪の塔〜 第91話
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エヴリーヌのようにイリーナを怒らせない事を心の中で誓っていた。
「で?戦うの?戦わないの?」
「……………………………現在ロレントで起こっている戦。その戦は俺個人やカーリアン達が出て、手伝ってやる。それでいいな?」
「うん、お願いね。それとこの会話はアルセイユにいるみんなにも聞こえるようにしてあるから、誤魔化そうと思っても無駄だからね。最後に言っておくけど、他にも一杯あるからね〜。」
そしてエステルは不穏な言葉を最後に言い残して通信を切った。
「……………(まさか、受け継いだ記憶をそういう風に使ってくるとは…………)………………………」
一方通信器を置いたリウイは表情には出さず、心の中で頭を抱えていた。
「あなた?相手はエステルさんだったようですけど、一体何を話されたんですか?」
リウイの様子に気づいていないイリーナはリウイに尋ねた。
「………現在ロレントで起こっている戦いの援護だ。……ただし”メンフィル帝国”としてじゃなく、”俺達個人”としての戦闘の参加を頼まれた。」
「フフ、そうですか。他でもないエステルさんの頼みなら構わないと思いますが………それよりあなた?さっき、エステルさんに何か言われて私を見たようだけど……一体何を言われたの?」
「……………大した事ではない。」
イリーナに尋ねられたリウイは一瞬固まったが、すぐに気を取り直して表情を変えずに答えた。
「(この人ったら、もう……………この様子だとまた、私以外の女性に関する事ね………跡継ぎを産まずに逝ってしまった私にも責任があるし、”皇族”だから仕方ないのはわかっていますけど、それでもあなたにはずっと私を見ていて欲しいんですからね?フウ………早くリウイとの赤ちゃんが欲しいわ………その為にも一杯抱いて貰わないと…………フフ、覚悟していて下さいね、あなた?)……………今度エステルさんに会った時、どうやってあなたの考えを変えさせたかを尋ねる必要があるみたいですね、あなた?」
「…………………………」
イリーナは心の中で溜息を吐き、凄味のある笑顔でリウイを見つめ、見つめられたリウイは黙り込んだ。
〜アルセイユ・ブリッジ〜
「じゃ、行きましょうか!」
一方通信を切ったエステルはヨシュア達を見て言った。
「「「「………………………」」」」
しかしヨシュア達は何も言わず、固まっていた。また、ブリッジ内にいる仲間やユリア達も固まっていた。
「ん?どうしたの?」
その様子を見たエステルは尋ねた。
「エ、エステルさん。リウイ陛下にとんでもないことをしてしまった事を自覚していないんですか………?」
そしてクローゼが引き攣った笑みを浮かべて、遠慮気味に
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