7章〜四輪の塔〜 第91話
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ら行く所よ。それで要件だけど、リウイ。あんた今、暇よね?」
「………今は政務書類をある程度片付けて、休憩している所だが。」
「それを暇って言うんでしょーが!そんなもん、いつでも片づけられるでしょ!そんな事より今のロレントの状況………わかっているんでしょ!?」
「………勿論知っているが、それがどうかしたか。言っておくがリベールより救援要請も出ていないし、俺達は戦うつもりはないぞ。それにお前達の護衛部隊がいれば戦力として十分だろうが。」
エステルの言葉にリウイは静かな口調で答えた。
「何も兵をもっと出せとは言っていないわ。……リウイ、あんた自身やカーリアン達”個人”が戦ってって言っているの。」
「…………何?」
「あんたやカーリアン達が戦えば、わざわざ兵を出さなくてもロレントの戦いはあっという間に終わるでしょ?あんたの”友人”としての頼みよ。」
「悪いがその頼みは断る。わざわざ俺達が出る必要はないだろう。」
「…………へ〜。相手がラピスとリンの記憶を受け継いだあたしとわかってて断るの〜?」
「………………」
エステルの言葉と声の雰囲気から何か嫌な予感を感じたリウイは警戒した表情で続きを待った。
「………イリーナさんにフォルマ隧道であんたとラピス、リン………3人でイチャイチャした事を話してもいいの?」
「なっ…………!」
エステルの言葉にリウイは驚き、イリーナを見た。
「?どうしたのですか、あなた。」
一方見られたイリーナは首を傾げて尋ねた。
「……………それは過去の話だし、イリーナは元々王族だ。話された所で特に問題はない。」
イリーナの問いには返さず、リウイは表情を戻して答えた。
「まあ確かにそうかもしれないけど、ホントにいいの〜?あたしの勘だと、内心かなり嫉妬して、あんたに怒りの気持ちを抱くと思うわよ〜?」
「………なぜ、そう思う。」
「そんなの勿論、乙女の勘に決まっているでしょ!そりゃイリーナさんは元々お姫様だから、”王”のあんたが他の女の人と仲良くしてもある程度理解しているだろうけど、イリーナさんだって乙女なんだから!乙女の気持ちを男のあんたがわかる訳ないでしょーが。」
「………………………………」
エステルの説明を聞いたリウイはイリーナが記憶を取り戻し、ある日ユイドラの戦いで使い魔にしたセオビットの事でイリーナにどういう出会いがあって使い魔にした経緯を尋ねられ、そしてセオビットが出て来てあっさり話し、それを聞いて嫉妬したイリーナの機嫌を直すために、数日間苦労した日々を思い出して黙り込んだ。ちなみにセオビットはその時のイリーナの凄味のある笑顔を見ると、突如恐怖感が襲ってきて、リウイの身体の中に逃げるように戻り、
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