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アライズ オルタネイテブ〜三人の騎士と九人の女神〜

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 朝からツイていない日だった。
 いつものバスにも乗ることができなかった。
 とはいっても、私の住んでいるところは学校のの寮からだから、実際歩いても十五分程度の距離だ。
 高い学費だけあって送迎はもちろんのこと、学校内の設備は施設はこの辺りの地域の中でも随一。
 ビル丸々一つが学校なのだから当然だろう。
 ほんと、親には感謝してもしきれない。

 そう。

だからこそ、この状況が理解できなかった。
 目の前で起きていることが、夢か現かの判断ができない。
 単純に「今日はとことんツイていない日なのだ」と、無理やり自分を納得させるほかなかった。

 熱した鉄が、身体の芯に刺さっているような感覚。
 胸は熱いのに、末端からは徐々にその熱が奪われてゆく。

 頭がぼぉっとする。

 やっぱり朝はちゃんと食べとかなきゃダメだったかな。
 あれ?でもちゃんとお昼は食べたのに、なんでこんなにフラフラするんだろう。

 ゴトリ、と鈍い音が鳴る。
 同時に自分の視界も、正面を向いていないことに気が付いた。

「ふぅん、まだ息があるんやね」

 流暢じゃない、どこかワザとらしいイントネーションの声が聞こえる。
 その声には冷ややかな、そして確実に良くない感情が込められていた。

「ぐっ…い、いた…い……」

 じっとりと首筋に汗をかいているのがわかる。
 首だけじゃない、全身のありとあらゆるところが冷や汗で濡れている。
 胸だけが異常に熱かったのは、そこに在りえないものが刺さっていたからだ。

「恨みがあるわけやないんよ。これも、あの子のお願い事叶えてあげる為に仕方のないことなんや」

 何を言っているのか訳がわからない。
 あの子って誰?ていうか、なんでこんな事になってるの!

「ああん、泣かんといて?今すぐ楽にしたげるから、もうちょい待っててな」
















 あの後、私がどうなったのかは覚えていない。
 今こうして目が覚めて、自分の部屋のベッドで寝ているということは、あれはきっと夢だったのかなとしか思えなかった。
 いや、正確には思いたかったのだろう。

「なんなのよ……これ」

 頭痛と吐き気で最悪な気分の私は、少しでも楽になりたいとベッドから這い出てシャワー室へと向かった。
 制服のままで寝ていたようで、とっとと着替えようとした時に。

「……これって、血の痕、よね」

 赤黒く変色した制服、胸元には何かが刺さっていたような穴。
 不思議と身体に傷は無く、シャワーを終える頃には気分もいくらか落ち着いていた。


 制服は燃やして捨てることにした。
 UDX学院の制服は、割と高値で取引がされるってク
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