英玲奈 0
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まれ、その上に乗った顔は悪役レスラーさながらの、ごつごつとした岩から削り出したかのような造作だ。髪型もつるつるのスキンヘッドで肌の色は褐色。
一見すると、まるで洋画にでも出ていそうな悪人顔である。しかしそれでいて、笑うと実に愛嬌のある、味な顔をしているのだ。年齢は二十代後半だろうか。
「どうぞ、お待ちどうさん。熱いから気ぃつけろよ」
「ありがとうございます」
カップを持ち、口元に運ぶ。
鼻孔をほのかな珈琲の香りがくすぐってくる。ふわりと優しく、それでいて香ばしい香りは私の好みだ。
味も申し分ない。
普段から珈琲を嗜んでいるわけではないのだが、この苦味は癖になりそうだ。
ツバサは猫舌だし、あんじゅには苦すぎるだろう。
ふと、あの二人の子供っぽい一面を思い返し、私は笑みをこぼした。
それを見ていた店主は、怪訝な表情を浮かべている。
「どうした?不味、かった?」
その問いかけに、私は加えて笑ってしまった。
「いえ、申し訳ありません。とても美味しいですよ。ただ……」
「ただ?」
そこで言葉に詰まったのは、私がこれから口にしようとした言葉が果たして正しいのかどうかと思ってしまったからだ。
ツバサやあんじゅは私にとって、なんなのだろう?
友達や親友というような間柄じゃない。そう、彼女とらは戦友なのだ。
でも、何故だかそれを口には出せなかった。
「あぁ、すいません。ただ知り合いの女の子二人は、ちょっと苦手なんじゃないかと思って」
「んん、結構自信作なんだがなぁ」
頭をぺちぺちと叩きながら、店主は困り顔を浮かべる。
私自身はこの珈琲は気に入ったのだが、どうやら誤解を生んだらしい。
やはり私はこういった社交的なやり取りは苦手だ。
しかし、社交的というのにも、いささか疑問が残る。
個人の意見としてこの珈琲の味や香りは気に入ったのだから、なにも着飾らずに素直に感想を言うべきなのだろう。
改めて私は店主の方へと向き直った。
「これはとても美味しいですよ。ほのかな香りと苦味がとても心地いいです。その子たちはこういった大人っぽい飲み物よりは、むしろ女の子らしいものが好きなようなので」
「はっはっはっ」
「な、何かおかしかったでしょうか?」
今度は私が困惑を浮かべてしまう。
それを見かねてか、店主はくっくと口元を抑えながら説明し始めた。
「いやなに、あんただって十分に女の子じゃねえか。確か、あれだろ?アライズっつうスクールアイドルってのやってんだってな」
いかつい顔からもっとも似合わないであろう言葉に、私は思わず固まってしまった。
見て間に反
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