ツバサ 0
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ある日の放課後、今日は次のライブに備えて体を休めるということで練習も早く終わった。
普段は迎えの車で家まで帰るのだが、私はその日はちょっと遊びたい気分だった。
「たまには気晴らしも良いわよね」
誰が聞いているというわけでもなく、私は独り言をつぶやく。
これからどうしようか?
スクールアイドルとはいえ、あくまでもそれは学校での活動の一環。
部活動と変わりはなくテストだってある。
つまりは普通の女子高生と変わらない。
とはいえ、スクールアイドルとして活動している以上、目立った行動は
チームの、ひいては学校にとってのマイナスでしかない。
ま、そんな事はしないんだけど。
「んー、別にこれぐらいはいいわよね」
私は公園で自販機をジュースを買うことにした。
別に喉が渇いていたわけでもないし、どこかのお店に入ってもよかったのだが、一人でお茶するというのもなんだか味気ない。
それに、以前あんじゅと英玲奈の三人でカフェに時はちょっとした騒ぎになってしまった。
一年前、初めてラブライブが開催されて、私たちが優勝を勝ち取った時だ。
優勝出来たら何か自分たちにご褒美をあげようと、普段はカロリーも考えて食事をするのだが、その時は満場一致で巨大パフェを食べに行くことにした。
店内に入って席まで着くまではよかったよかったんだけど、その店は女の子にお店で店内は近くの学校の子たちで賑わっていた。
誰かが不意に、私たちの方を見て声をあげる。
一人、また一人と私たちに気づいた子たちが騒ぎ始めた。
嬉しくもあったが、同時に戸惑いも抱えてしまう。
結局パフェを堪能することなく、私たちはお店を後にした。
多分そのことが切欠だったんだと思う。
スクールアイドルとしての自覚、立ち振る舞いを意識するようになったのは。
ラブライブの優勝に関しては正直自信もあったし、それを裏付ける努力もしてきた。
ただ心残りは、気になっていた子たちと勝負できなかった事。
なんて、今更どうしようもないんだけど。
なんだかスッキリしたい気分になった私は炭酸を買うことにした。
コインを入れて、ボタンを押す。
普通ならここでジュースが出てくるはずなんだけど
「え、あれ?出てこない」
ボタンを何度押しても、音は鳴るのにジュースが出てこない。
いつまでもこんな事してられないし、私は諦めて返却のレバーを引いたんだけど
「嘘でしょ……なんで?」
お金が出てこないのだ。
これなら大人しく、どこかの店でテイクアウトでもすればよかったと落胆していた私に、女の子が声をか
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