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Re:A-RISE
ツバサ 0
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は綺羅ツバサ、あなた名前は?」

「え?あぁ私は御さ

『お姉さまぁー、どこですのぉー?』

 おそらく彼女の知り合いなのだろう。遠くから彼女を呼ぶ声がする。

「あら、お知り合い?」

「ええ、後輩なんですけど……この状況が見つかるとさすがにまずいんでこれで失礼しますね。あ、私これだけでいいんで、それじゃ」

「あ、ちょっと!」

 結局名前を聞くこともなく、彼女はどこかへ行ってしまった。
 お礼は言えたけど、せめて名前ぐらいはききたかったな。

「ふふ、また会いましょうね」

 私は大量に積まれたジュースの山を眺めて思わず苦笑いしてしまう。
 流石に一人じゃ片付けきれないし、折角だから英玲奈とあんじゅにlineをする事にした。
 あの二人も今日はブラブラすると言っていたし、多分近くにいるだろう。

「『ジュース奢ってあげるから、今すぐ公園に集合』と、これで良し」

 どんなに努力しても、必ず報われるとは限らない。でも、努力しなければ手に入らないものは世の中には沢山あると思う。
 努力した結果した失敗は、必ず糧になる。
 練習は裏切らない。
 私はこれからも努力し続けていくだろう。
 夢は誰かが叶えてくれるものじゃない、自分で掴み取るものだ。

 ラブライブ優勝という実績は、時には枷になるかもしれない。
 でも、あそこから見た景色を、私はもう一度見たいと思った。
 私だけじゃない、英玲奈とあんじゅ、A-RISEの三人で見たいと。

 本気でいるのは確かに苦しい。でもそんな弱音を吐くよりは、涼しい顔して走りたい。
 誰にもお願いなんてしない、絶対に諦めもしない。
 勝負を投げたら撤退しちゃうだけだし。
 ほら、人生ちょっとの勇気と情熱でしょう?

『英玲奈と合流したよ 今からそっち行くね』

 あんじゅからのlineを確認して、私は空を見上げる。
 そろそろ夏も終わる。

「次も絶対、優勝するんだから」

 ポツリと呟き、私はジュースを手に取った。
 こんなにあるんだし、別に一本ぐらい先に飲んだって構わないはずだ。
 問題は三人でも果たして処理しきれるかという事だけど、それは後で考えよう。
 私はコクリと一口飲んだ。



「熱っつ!」

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