第8話 唐突な始まり
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かった。
受け取らないなんて選択肢はあるわけがない。つまり、
「ありがとね花陽ちゃん♪家でゆっくりいただくよ」
「どういたしまして♪気を付けて帰るんだよ?」
「と言っても僕の家は君の家の隣なんだけどね」
えへへ....そうだね。と、ペロッと舌を出しながらほほ笑む花陽に軽く頭を撫ででからドアノブに手をかける。
「そういえば凛ちゃんは?」
「凛ちゃん?凛ちゃんは今日私の家に泊まることになってるんだぁ」
「そっか、あまり遅くまで起きてたらダメだからね?」
大丈夫、という言葉を聞いて安心した。僕はそのまま扉を開いて花陽の家を出る。
「さて、勉強しないとな」
そう呟いたところで突如ポケットの中の携帯が反応を起こす。しかも僕が家から出るのを見計らっていたかのようなタイミングで。
何気なく携帯を開いたところで、僕はつい先日会ったばかりの先輩の名前が出てきた事に驚く。
そうか、先輩も音ノ木坂の生徒だから"廃校"の相談をしようと電話かけてきたのかもしれないなぁ......
そう察しながらも僕は通話を開く。
「はい、もしも───」
『聞いてよ聞いてよ!!!はるとくん!!!!!!』
......通話を開いた瞬間いきなり大声が僕の鼓膜に襲いかかり、思わず携帯を耳から離す。いつも声が大きな先輩だとはいえ、流石に耳元で叫ぶのは勘弁して欲しかった。
と、
『こら穂乃果!いきなり大声で叫んでは相手の方が驚くでしょう!!!』
『あ!そうか!ご、ごめんねはるとくん』
「い、いえ大丈夫......です。ところでなんですか?」
『大変なんだよ!!なんかね、音ノ木坂が──』
「"廃校"の事ですよね?知ってますよ」
『......あれ?』
高坂先輩がポカンと口を開けている様子が目に浮かぶ。
そういえば一瞬高坂先輩じゃない女の方の声が聞こえたような気がする。
『え?なんで知ってるの?』
「花陽ちゃんたちから話を聞きましたから」
『あ〜そっかぁ〜!花陽ちゃんから聞いたか〜』
『だから言ったじゃないですか、相手の方に音ノ木坂の知り合いがいるのでしたら現状を知ってるかもしれない、と』
『まぁ、そうなんだけどね?一応聞きたかったんだよー』
また綺麗な声が聞こえた。おおかた高坂先輩の友達だろう。敬語を駆使しているみたいで、その使い方は手馴れているようだ。
「確かに話は聞きましたが、僕、"部外者"ですし一個人の僕がどうこうできる話じゃないですよ?」
『それは知ってる!!
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