第11話 初めての約束
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々離れたテーブルに座って何かの飲み物をグラスにギルダーツは注いだ。琥珀色の液体で、仄かに香りが漂ってくる。……今まで飲んだ事のない匂いだった。(と言っても、ゼクトはサバイバル生活だったから、基本的に川の水しか飲んでない)けれど、一般常識、程度として、お酒に関しては判る。……彼は、ただ、あの場所でいた訳ではなく、勉強もしていたから。
「ほーれゼクト! そんだけ 力つええなら、こっちも 結構いける口だろ?」
ギルダーツは、またまた良い……じゃなく、妙な笑顔でそう言う。
でも、今回はゼクトは断ったりせず、その注がれた液体、酒を眺めていた。
「ん〜……でもさ、オレ、飲んだ事無いから、わかんないよ? ……それって、お酒……でしょ?」
ギルドの宴が始まってすぐに、皆が一斉に飲んでいた物だ。本当に美味しそうに飲んでいて、頬を仄かに赤くさせ、盛り上がっていたから、少なからず、ゼクトも興味あるといえばあったんだ。でも、メニュー表に、しっかりと書かれている。『お酒は15歳から』と。自分の正確な年齢は判らないけれど……まだ、そこまでは行っていないと思えるから、躊躇していた。
「ん? ああ、そーだぜ? まあまあ! 飲めばわかるって。ちぃと早いが。大人へ階段を登る〜……ってやつだ! 何事も経験! ぶつかってみねぇと判んねぇだろ? ほれ、ミラん時やエルザん時みてぇによ?」
ギルダーツは、そう言いながら、飲む事を促そうとしたその時だ。
「このばっかもんが!! ギルダーツ!」
突然、非常に大きな……大きな 何かが上から降ってきた。
「え……? お、大きな……手?」
そう、それは凡そ人間とは思えない程の大きさの拳で、ギルダーツの頭を叩いていたのだ。大人達の中でも、特に大きいギルダーツの更に上からのゲンコツだから、相当にでかいのは間違いない。
驚いていたんだけど、魔力が感じられたから、身体の質量を変える魔法、だと言う事はすぐにゼクトは理解した。
「いってててて……まあまあ、ちょっとくれーいいじゃねえか? マスター。男たる者、酒の1杯や2杯くれぇ飲めねぇとやってけねぇだろ?」
そのゲンコツはマスターのものだった。
大きさは、ギルダーツの身体程ある大きさだと言うのに、それを頭に受けて、且つ潰されず、普通に返事を返す事が出来ているのも十分驚愕だ。
他の皆は 拳が降ってきた事に、驚き 飲んでいた酒や食料を口から盛大に吹いていた程の衝撃だったのに。
「あほかぁ! ガキに何を薦めとるんじゃ。10年早いわ」
流石、ギルドの長だ。
規律に関してはしっかりとしている様で、横で聞いていたゼクトも、うんうん、と頷いていた。決まりは守らない
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