第11話 初めての約束
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トには答えず、ただただエルザの方に睨みをきかせていた。
そして、めいいっぱい、空気を吸い込むと。
「エルザッァ!!何抜け駆けしてんだっ!!」
ナツの……、竜の咆哮にも負けない勢いで吼える。《叫ぶ》ではなく、《吼える》と言う印象の方が近い声質だった。……正直怖い、と思ってしまっても無理はないだろう。
「む…?」
エルザもエルザで、決して億さず、負ける事などはなかった。真っ向からミラと睨み合っていたのだから。悪魔などなんのその、である。
そして、勿論 睨み合いは長くは続かず、あっと言うまに、ミラとエルザは、取っ組み合いにまで発展していた。
あまりの出来事、衝撃の連続でゼクトはついて行けてなかったんだけど、エルザとミラがケンカ? を始めた事は判った為、慌てる。
「ちょ、ど、どうしたの!? 2人ともっ! 今は宴なんでしょ? なんでそんなに殺気立ってるの! お、落ち着いてーっ」
兎も角、2人を止めようと間に入ろうとしたのだが、がしっ、と力強く 自分の肩を掴まれた為、進む事が出来ない。今度の力は今までよりも遥かに強い。まさに大人と子供の差だ。
「わぁっ!!」
「おう、ゼクト。」
自分の肩を掴んだ相手は、ゼクトは直ぐに判った。
「あっ ギルダーツ」
それは、ギルダーツだった。
ゼクトは、先程の2人とは、比べ物にならない程の力だったから、直ぐに判る事が出来たのだ。それにしても、本気じゃないとは思うけど、力を入れすぎ、と思ってしまうのも無理はない。訊けば、ギルダーツは、このギルド1番の魔道士らしいから、大人気ない、とも思ってしまう。
そんな心情は露知らず、ギルダーツは、にかっ! と笑うと。
「あいつらの事は今は、ほっといてやれよ。………決着をつけなきゃならねえことは、世の中にはあるのさぁ……。男だろうが、女だろうが、大人だろうが、子供だろうが、な?」
意味深に語るギルダーツだけど、ゼクトは訝しみながら見ている。そして、話半分にしか聞いてない。
「………何? その変な笑顔は?」
直ぐに判る程、妙な笑顔だったから。本気じゃない、巫山戯ている様な笑顔だったから。だから、ゼクトは、疑いのまなざしを向けていたのだ。
それを見て、ギルダーツはまた笑う。
「だーっはっは! やっぱおめえは可愛いとこあんだよな!? ほれ、どーだ? こっちで飲みなおねえか?」
「っ〜〜〜!! か、可愛いってなにっ! ギルダーツが、変な顔、するからじゃんかっ!」
ゼクトは、子供扱い(子供だけど……)されて、ちょっと、頬を膨らましながらそう言うけど、『硬い事言いっこなしだ!』と、殆ど強引に連れ去られてしまった。
エルザ達とは少
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